Rainbow 14
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
--------
「始めようぜ。さっきのヤツ出せよ」
俺は地面にソッと名無しさんを横たえると、目の前の男を見据えた。
「良い顔だな。死に行く男に相応しい」
くまの大きな手の平から気泡が現れる。
それは徐々に体積を増し、延々と膨らみ続ける
「…お前の精神力が強ければ…もしくは…」
「俺はルフィの代わりに死ぬ気だったけどよ。今はくたばる気はねぇな」
ぐったりと横たわる名無しさんに視線を遣ると、男の視線の先と交わった。
「…フッ…あのガキも、こんな娘を跳ばして来るとは…未練がましいな…」
「何ブツブツ言ってやがる」
「…いや……用意は出来た。心が決まれば入ると良い。地獄にな」
「あぁ、覚悟ならとっくに出来てるぜ」
……………………
血飛沫を上げながら、仁王立ちする男を一瞥する。俺の目にはもう、全ての光景は単なる“絵”にしか映らない。
恐らく、近い内に体の全ての細胞は完全なる造物に変わるのだろう。
苦痛の塊に背を向ければ、頭の中でカチンと一つ、また何かが外れる音がした。
足元に転がる女が目に入る。
屈んでじっと見つめれば、消えかけた記憶が脳を過ぎる。
俺がまだ人間だった頃、この指を幼い両手で握り締め、恐れもせずに笑いかけてくれたのは、これと似た顔では無かったか。
……いや、気のせいだろうか。
立ち上がり、瓦礫を踏み締め歩み出す。
俺の自我はもう持たない。あのガキの不始末を隠す事も、もう出来なくなるだろう。
「……どんなに足掻いても変えられない未来が在る。“運命”に…あいつも、もう気付いているだろう」
.
15/15ページ