Rainbow 14
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シンとした空間に、細かい振動が伝わる。
このウサギ…さては怯えているな。
「オオオオマエ…ハラカラデロヨ……」
『あーとりあえず、森にでも向かってよ。建物内は崩れると危ないし』
「オオオオレハ、ペローナサマノトコロニ…ア!オマエ!ハラニ…アナヲアケルナ!」
『うるさいな、ちょっと縫い目解いただけじゃん。でもアンタが暴れると手元狂って引きちぎれるかもね?』
「ココココノゲドウ…モウヒトジャネェ…」
腹に開けた穴から片目を覗かせる。やはりオドロオドロしい建物内は蝋燭の明かりが所々点いてはいるものの、暗くて周囲の様子が分からない。今はこのウサギだけが頼りだ。
『ウサ吉、ちゃんと外に向かってんの?』
「オオオオレハ、ソンナナマエジャネェ!…コノママイケバ、ゲンカンダヨ!」
『…ふぅん、急いでね。アンタの中、生臭いんだから』
「……………」
背中のチャックを少し開け風通しを良くすると、しばらく黙って考え込んだ。
--“お前は自分すら守れねェ”--
…ローの言う通りだ。
こうやって何かに隠れてないと、安全な場所にすら辿り着けない。
ましてや、みんなの所に行けば加勢するどころか逆に足手まといになるんだろう。
逸る思いばかりが先走って空回る。
私は
……無力だ……。
なのに、後先考えず行動して、いつも周りに迷惑を掛けているんじゃないだろうか…。
せめて今は邪魔をしないよう、心配を掛けないようにしなければ。
「…アアアア……!」
突然ドクドクと内部に響き渡る鼓動が、私を現実に引き戻す。
『どうしたのウサ吉?』
「……ロロロローラ!」
「ゴラァーー!!テメェそこで×〇∞●¢△♭▲×」
近づいてくる奇声と地面を揺るがす振動に、急いで穴から目を覗かせる。
『………ウッ……』
縫い目から垣間見えた存在の酷さに、直ぐさま目を逸らした。
…どこかの呪われた巨大な猪神に、似たようなのが居た気がする。
『…オッコト…ヌ、ぬううう…』
震源が近付いて来たのか、段々と振動が激しくなり、ふわりとした浮遊感の後にユッサユッサと揺さぶられる。
「コルァァァ!!こんな大変な時に、ここで何してんだい!」
「ロロロローラ、ハナシヲキケ……」
…うげぇー!ちょっと揺らさないでよ!酔う!酔う!
『やめてよ!このブタイノシシ!』
ピタッと揺れが収まると、ドスン!と下に落下した。
…いったぁー!踏んだり蹴ったりだよ全く…
「…ラビットンマ…今のは私の聞き違いかい?」
「チチチチガウンダ…!」
ウサ吉は、のっそり起き上がると、じりじりと後退しているようだ。どうやら目の前の猪ゾンビに頭が上がらないらしい。
…ってか、こいつラビットンマっていう名前なんだ、屈辱的な名前だな。ウサ吉のが断然マシじゃん。
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