Rainbow 14
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--ジジジ……--
『プハッ……』
「ハァー…苦しかったぜ色んな意味で…」
勢い良く広げた空間に二人競い合うように顔を出すと、外の空気を胸いっぱいに吸い込む。少々かび臭いけど腹の生臭さよりかは幾分マシだ。
『早く出てよー出られないじゃん』
「急かすなよ…」
ゾロは、ぐいぐいと乱雑にチャックを広げながら外に出る。
「モリアって奴斬り損なっちまったじゃねぇか」
『まだそのへんに居るんじゃない……んしょっ』
差し出された手に掴まり、狭い空間から這い出す。
後ろでヌイグルミがぐったりと倒れていたが、見ないフリをして話を続ける。
『…それより、あいつらが言ってたナントカの研究所ってとこにミネアさんは居たのかな…』
「…俺には何も言って無かったけどよ……アイツが亡くなった原因と関係ありそうだな…」
『何かの作成方法を知ってて…てて……』
--ゴゴゴ…ゴゴ…--
「ひでぇ揺れだな…なんだこりゃ」
『じ…地震!?』
「いや、外からすげぇ音が聞こえねぇか?」
窓に近寄るゾロに続いて外を覗く。
「…ッ…なんだあのデケェ化け物…!」
『え…なに…アレ…規定外のサイズだよ…』
まるで巨人…それも建物より遥かに大きい怪物が、腕を振り回し暴れている。
力加減を確かめる様に振り回された四肢は、見る間に塔を端から順に粉砕していく。
その腕にしがみ付いている小さな存在を目に留めた。
『ねぇ、あの麦わら帽子ルフィじゃない!?』
「サンジや他の奴らも周りにいるぞ!」
ゾロは厳しい顔でこちらを向く。
「俺は仲間の所へ行く。お前は安全な所に隠れてろ」
『みんなが戦ってるなら私も行くよ!』
「バカ言うな!お前が行って何になる。俺らの気が散るだけだろ!」
『…だって……みんなが危ない目に合ってるのに…』
下を向いて唇を噛み締める。少しでもいいからみんなの役に立ちたいのに…。
ふいに暖かい手が頬を包んだ。
ぐっと上を向かされると、真剣な瞳が私を見つめている。
「おめぇの気持ちは分かる。でもな、自分の出来る事を把握しろよ」
『………………』
「あいつらじゃなく自分自身を守る、それがお前の役目だろうが」
…自分自身を……
ハッとしてゾロを凝視する。
確か…確かローもそんな事を……
『もしかして私…!』
「話は後だ!俺ァ行く!お前は中に入ってろ」
ぐいぐいと背を押され、またウサギのヌイグルミに逆戻りする。
「ヨヨヨヨリニモヨッテ、オマエノホウカヨ…」
「おいウサギ!こいつを安全な場所に連れて行け」
「ダダダダンコキョヒ……」
「分かったな!!」
カチャリと刀の鍔を上げる音が響けば、ヌイグルミは黙った。
ジリジリとジッパーを上げる手を急いで掴む。
『…ゾロ…絶対無事でいてね…。それと、手助け出来なくてゴメンって皆に伝えて……』
すっと細められた吊り目は、次の瞬間には少し緩んだ。
徐に後頭部に寄せられた手に急速に引き寄せられると、額に暖かな温もりが伝わる。
視界に入るのは尖った顎だけ。
『ゾ…ゾロ…』
「………すぐに迎えに来てやっからよ」
鈍い摩擦音が響けば、周りが暗闇に閉ざされた。
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