Rainbow 13
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目を瞑って寝ようと頑張るのに眠気は全く襲ってこなくて、むしろローの皮肉った顔ばかりが浮かんでくる。これは逆効果だと思い、目を開けると、ドンドンと扉を叩く音が聞こえた。
『………だれ…』
「俺だ。ちょっといいか?」
…あぁ、ゾロか。こんな遅くにどうしたんだろう。
溢れた涙をシーツで綺麗に拭うと返事をした。
『…いいよ』
開かれた扉からヒョッコリ現れた緑の頭。周りをキョロキョロ見渡すと中々入って来ようとしない。
『…何してんの?入れば?』
「…まだ戻ってねぇんだな。勝手に女部屋に立ち入るとあのヒステリーが煩ぇからな」
ゾロはちょいちょい、と手をこまねく。
小首を傾げながら近づくと、腕を引っ張られ強引に廊下に出された。
『ゾロ!どこ行くの!』
「…あいつらがお前を元気付けろって……。…あー、いや、見せてぇモンがあるんだよ」
そう言ってグイグイ腕を引っ張るゾロに半ば呆れて言われるがまま従った。
『ここ、昇るの?』
潮風に吹かれ靡く縄ばしごをスルスルと昇って行くゾロに問う。
暗闇の中、揺れる梯子が何だか心許ない気がした。
「んだよ、女みてぇだな。ほら」
差し出された手を躊躇無く掴んだが、一体この男は私を何だと思ってるんだろう。
よじ登って連れて来られたのは展望台だった。
『……わぁ……』
360度見渡せる屋根の無い展望台。視界いっぱいに夜空が散りばめられたみたいだ。
『…すごい、こんなの初めて見た』
「今日は新月だからな。星が綺麗なんだ」
暗闇に埋め込まれたビジューのよう。無数の星は群生になり、まるで白い川のように空を横切っている。
柵に頬杖を付いて、食い入るようにそれを見つめた。
「…気分が沈んだ時、いつもこれを見るんだ」
ゾロは隣で片肘を付きながら星を見上げる。
「…これ見てたらよ…何があったって…何とかなるんじゃねぇかって思えてくんだよ」
隣に目線を移す。
柄に似合わず夜空を見上げる彼の目には星々と、それと何が映ってるんだろう。
その瞳が、遠く遠く何かを追っている気がした。
……そうだ…
愛した彼女の死を知らされて、辛いのはゾロの方なのに。
どんなに追っ掛けても、世界中探しても、その相手は見つからないのに。
…もう会えないのに…
世界で一番不幸な顔して、塞ぎ込んでる自分が段々恥ずかしくなって来る。
『……ゾロは、強いね』
「あ?」
『…どうやったら不安じゃ無くなるの』
「信じんだよ。てめぇの胸にあるモンを」
『…胸にある…』
そっと心臓に手を置き確かめる。どくどくと脈打つものは、二人で誓ったものは、ちっぽけなんかじゃ無い。
…ローなりの考えがあったのかも…しれない。
だって、彼はいつも想いを言葉にするのが下手だから。
その代わり、分かり難い愛情で、いつも一生懸命包んでくれてた。
ちゃんと感じたそれは、きっと嘘なんかじゃ無い。
ゾロを見て少し微笑んだ。
『…ありがとう。なんか勇気、もらったね…』
ゾロは目を丸くするが、すぐにニヤリと笑い、床にドスンと何かを置いた。
「もっと分けてやるから、飲め」
『…お酒?』
「極上の肴が上にあんだ。最高の晩酌だろ?」
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