Rainbow 11
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店を出ると、ざぁざぁと雨が横殴りに振っていた。
「じゃあな!あんた達も気を付けてな!」
この豪雨の中、果敢にもチャリンコで走り去るマスターを見送り、私達は借りた合羽を羽織る。
『…酷い雨だね』
「…で、高台はどっちなんだ?」
『マスターが行った方向に…あれ…?』
「…もう見えねぇぞ……」
地面を打ち付ける雨と跳ね返る水飛沫で視界が悪い。
『…決めた。あっちよ』
「そっちは下り坂じゃねぇか」
『下りがあればそのうち上るんだよ』
「時間がねぇのにふざけるなよ…」
人気の無くなった道に二人呆然と立ち尽くす。大粒の雨が全身を打ち付け、びゅうびゅう唸る風がどこからか新聞紙を運んで来て私の顔面に叩き付けた。
『グフ!!』
「お前…もっと色気のある声出せねぇのかよ…」
ゾロは呆れた声で私の顔にある新聞紙に手を掛けるが、そのままの体勢で固まってしまう。
「………なんだこれ、俺の写真が載ってやがる」
シワになった部分を広げている。紙面を読んでいるのだろう。
『あの…どうでも良いけど早く除けてくんない』
「市長…暗殺未遂…犯人は麦藁の一味だと…!?」
『…早く…』
「俺らがンな事する訳ねぇだろ!!」
『…知るかボケェ!!』
目の前の紙をかなぐり捨てた。顔面を台にして新聞を読むとは非道にも程がある。
「あっ!てめぇ破れちまったじゃねぇか!」
『私より新聞かよ!』
「…でもそうか、俺が追い掛けられてた理由はこれだったんだな…」
腕を組みながら何度も頷いている。
聞く耳持たず…か。
『……で、何があったって?』
「さっき村で追い掛けられただろ?俺達一味はどうやら市長暗殺の濡れ衣を着せられたらしい」
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