Rainbow 11
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明かりを辿ると、草木の間から男の呟きが聞こえてくる。
「チッ…どこだここ。街ってのはいつも分かりにくい所にあんだな」
…誰か分からないけど同じ匂いがする。
でも、似たような人間でも二人寄れば何とやらだ。今はこの人に希望を託すしかない!
『スミマセン!』
「あぁ?」
木の枝を避けながら近付くと、緑頭の背の高い男が仁王立ちしていた。
…何この人…腹巻をわざわざ表に出してる。それインナーだよね。
「誰だおめぇ…」
『道に迷ってるんです!一緒に街を探して!』
「あぁ、それなら…なっ…お前…!!」
『キャア!!』
突然接近してきた男に力強く肩を掴まれ、驚いて飛び上がった。
逃げ道を探そうとさ迷わせた目が、男の腰に下げられた複数の刀で止まる。
背筋が冷たくなり、ごくりと唾を飲み込んだ。
…やばい男に声を掛けてしまったかも。殺られるか犯られる…。
その間にも男は顔を寄せ、互いの息が触れる距離にまで近付いていた。
…この人変質者!?…ん、待てよ、割と男前じゃんか。
目つきは悪いけど、ローほど悪人面でもない。イカツイけど、ある意味男らしい雰囲気…。
そんな顔面判断をしている私を余所に、男は私の顔をまじまじと凝視する。
「…いや、違ったか…」
『え…?あ、あの…何が?』
「……あぁ、すまん」
長い息を吐き、顔を遠ざけた男は、ぶっきら棒に私の肩から手を除けた。
「…知り合いに似てたもんでな」
『び、びっくりした…』
「悪ぃな……」
男は目を伏せ、一瞬悲しそうに顔をしかめたが、すぐに面を上げた。
「…そういやお前、迷ってんのか?」
『…そうだけど…多分アンタもでしょ?』
「馬鹿言うな。俺は道くらい分かる」
じーっと横目で男を睨む。
この人嘘付いてる。もしくは無自覚。
「…んだよその眼は…俺に付いてくりゃすぐ着くんだよ」
…すっごい不安、まだ自覚があるだけ私の方がマシなんじゃないかな。
『…やっぱいいや。お邪魔しました』
「おい、どこ行くんだよ!」
『…悪い予感がするんで』
「おい待てって!」
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