Rainbow 11
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『確かに船から街が見えてたんだけどなぁ』
もう道も無くなった森の中を、草木を掻き分け前に進む。
『おっかしいなぁー街の方が私から遠ざかってんじゃない』
辺りは暗くなり始め、虫の声が響き出した。
木々が徐々に鬱蒼とした存在になってくる。
足が自然と早くなる。
--グチョ!!
『ひぃぃー何か踏んだ!!』
怖いから足元は見ないし絶対正体は知りたく無い。
でもこのヌルっと感と柔らかい感触は何かの幼虫だろう。足で全体を感じ取れたから小さなモノ…芋虫でほぼ間違いない。
『あーもう!何もかもが嫌!』
近くの大木に腰を下ろし膝に頭をくっつける。
何でこんな事になってるんだろう。
本当なら今頃ローと街で夕飯でも食べてたんじゃないのかな。
前みたいに軽口言い合ったりして…。
今日が来るのが楽しみで、ローと出掛けるのを心待ちにしてた。
前のナノハナでは喧嘩してしまったし、今回は絶対素直になろうって決めてた。
なのに…
『…酷いよ…』
なぜ、約束を破ってまで女を抱きに行ったのか。
あの節操無しは一瞬足りとも性欲が我慢出来なかったんだろうか。
…やっぱりヤれれば誰でもいいんじゃないの。
私がダメならさっそく次って、それにしてもテンポが早過ぎる。
『…はぁ…』
…他の女を、抱いたんだ…。
あの節くれ立った手で、あの薄い唇で、どんな風に…
『…………………。』
ショックだ。物凄い衝撃だ。想像してしまった自分を葬りたい。
…もしも、さ…
私が受け入れてたら、ローが違う女を抱く事なんて無かったのかな…。
確かにあの時は怖かったけど、怖いのはいつもと違う乱暴なローで、彼自身が嫌な訳じゃ無かった。
こんな辛い思いをする位なら、いっそあの時……
『……うっ……』
膝がじんわり湿ってくる。
どこでも泣けないなら、いっそここで思いっきり泣いてやろうか。
『…うわぁーーん!!ローの馬鹿野郎!野獣!変態!性欲!』
木々が声を跳ね返す。
……セイヨク…セイヨク…セ…イ…
『……みっともない木霊だな…』
膝を抱えてしばらくぼーっとしていた。辺りは完全に真っ暗だ。
『…………ん?』
暗闇に目を凝らすと、チラチラと明かりのような物が見える。
「………………」
耳を澄ませば人の声らしきモノも聞こえる。
『…誰かいるんだ!オーイ!』
私は小さな光に向かって呼び掛けた。
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