Rainbow 9
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……悪ィ、名無しさん。もう限界だ。
俺は無防備に座る彼女に腕を伸ばし、力いっぱい抱き寄せた。
栗色の髪に頬を寄せると甘い香りが鼻腔を擽った。
ぴくり、と反応する彼女に、さらに腕に力を込める。
逃がさないように。
離れないように。
「……お前が好きだ」
俺の濡れた頬に、彼女の柔らかな髪が張り付く。
「…俺と一緒に来い」
僅かに震える彼女の体を少し離し、顔を伺い見る。
その臥せた瞼を見て絶望が押し寄せた。
「……返事は…ねぇ…か」
彼女の、海を眺める切ない瞳を思い出す。
今はただ、その相手が妬ましい。
『ごめ…なさ…』
「謝るな」
『違うの!』
名無しさんは臥せた瞼を上げ俺を見上げた。
『…違うの…私は…エースに好きになって貰う資格なんかない…』
「……どういう意味だ…?」
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