始まりは
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目の前には立派な一軒家。
聞けば、相手も子連れ再婚で俺と同い年の子供がいるらしい。(しかも女性)
ちょっと...いや、かなりドキドキしてる俺。
今まで友達どころか、女の人とまともに話したこともない。
そんな俺に、女の義兄弟...
やって行けるのかな俺...
「...腹痛くなってきた」
「なに、女の子って聞いて緊張しちゃった?」
「そりゃするよ...」
「大丈夫よ、すごく優しくて人懐っこい子だから」
俺の心の準備とか気にせず、インターホンを鳴らす母さん。するとすぐに、可愛らしい声が聞こえた。
「紡です」
「どうぞー」
「はーい...行くわよ?」
「あ、うん...」
声可愛かったな、きっとあれは美人に違いない。きっとツインテールでフリフリの服を着ているはず...!(アニメの見すぎ)
なんて妄想は置いといて、玄関を開けて中に入ると、花のいい香りがする。
そして目の前には、綺麗な女の人が立っていた。
俺の想像していたツインテールではなかったが、長めのふわふわした髪の毛。そして、お嬢様のようなワンピース。
「歩ちゃん!」
「お母さん、おかえりなさい。」
「まぁ!お母さんだなんて!!嬉しいわー!!」
歩と呼ばれたその女性を、抱きしめる母さん。その女性も嫌がることなく、背中に腕を回している。
「...」
空気。
俺完全空気
ていうか、いつの間にそんなに仲良くなったのか。
...歩さんは普通に母さんの事を「お母さん」と呼んでいた。嫌じゃないのだろうか?
そう思いながら、2人で仲良く話しながら、リビングに向かう背中をじっと見つめる。
その時俺の心は言った。
俺、歩さんのこと嫌い。
仲良くできる気がしなかった。
だって、俺にとっての父さんはただ1人。確かに酷いやつだったけど、それでも父さんはあの人だけ。
それは、歩さんにとっても同じはず。
なのに、あんな簡単に...。
「あら、浩人何やってるの早くしなさい?」
「ぁ、うん」
振り向いた母さんが、まだ玄関で立ち止まってる俺を不思議そうに見てる。 歩さんもニコニコしながら手招きをしてた。
これが、歩との最初の出会い。
絶対仲良くなんてできないって思ってたのに、人の心ってわからないもので。
その感情に気づくのはまだ先の話。
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