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夕闇は道たづたづし 上

「所在地不明、安否不明となりゃいよいよ怪しくなってきたな」
「......一体何者なんですかね」
「少なくとも最近のニュース見てれば分かるネ。あの依頼主犯人アル」
「やっぱりそうなのかな...」
「殺ってる本人じゃなくとも関わってるのは確かだ」

10日前のあの日を皮切りにとある殺人事件が連続で起こるようになっていた。あの依頼主を幾ら探しても何処にも見つからない。依頼を引き受けたのは不味かったらしい。

「それにしても...どうして見た目で判断、というか黒髪で瑠璃色の目の人を探しているんですかね...」
「しかも男限定アル。ボーイズラブアルか?」
「ちょっと神楽ちゃん...」
「...さぁな。もしかして神楽の言う通りかもしれねぇし、あるいは本気でそいつを殺そうとしてんのかもしれねぇ。そして俺達は依頼を受けちまった。その犠牲になる"男"を探し出してあの依頼主に引き渡さねぇといけねぇかもな。」
「悪の組織アルか!名探偵コ●ンみたいネ!」
「神楽ちゃん落ち着いて!!...銀さん、この依頼強制終了しましょう!...お金もいらないですよね!?」


新八の言う通りだ。正直金はこの際どうでもいい。依頼なんてしなくてもいい。

だが少し気掛かりがある。
俺は手の上に広げてある男の特徴が書かれてある紙を見直した。

瑠璃色の瞳、色白の肌、黒い髪


やはり、当てはまっている。あの男に。


「新八、神楽、ちょっくら出掛けてくる」
「え...もしかして」
「ダメアル銀ちゃん!!私達も行くヨ!」
「だー!違ぇよ!!すぐ帰ってくるから待ってろ」

クシャッと2人の頭を撫でて心配そうに顔をあげる2人を見つめた。

「...分かりました。待ってます」
「銀ちゃん帰ってくるまでご飯食べて待ってるアル」
「いや食べるんかい」
「ああ、じゃあ行ってくる」

こうして俺はあの男の元に急いだ。
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