第一章
最後に残ったリーダーと思われる獣人 はグルレと名乗った。
ク「じゃあ、グルレさん。話して貰ってもいいですか?何があったのか。」
あぁ、と犬耳を揺らしてグルレは頷く。
グ「まず簡潔に言おう、今俺達の国は内戦を起こしている。」
クレナイとアッシャーが目を見開いた。
ク「内戦?!何で獣人族 が?」
クレナイが驚くのも無理はなく、獣人族 は其程までに自分の種族を愛し、まず揉め事など滅多なことは怒らないのだ。
グ「恥ずかしい話だ。事の発端は一ヶ月前に我らが王、ライオネル王が急死した事に始まる。」
グルレが言うにはライオネル王が亡くなったことにより次期王に王からの信頼が厚かった二人の大臣が推薦された。
一人は犬族のワンダフル大臣。
もう一人は猫族のニャンダール大臣。
王がいたときから仲が良かった二人だが、それが突如として変わった。
ワンダフル大臣は農民や庶民に味方をする政策をとると発表し、ニャンダール大臣は貴族や上流階級の者を支援する政策をとると発表したのだ。
庶民の方が圧倒的に数が多いので勝負はついたと思われたが、なんとニャンダール派がワンダフル派を買収したり強制的にニャンダールに投票することを強要すると言った行動が目撃され問題となった。
勿論、意見の分裂したもの達が所各地で小競り合いを起こし始めた。
そしていつの間にか国はワンダフル派とニャンダール派に割れ、両者の支持者を減らす内戦になったという。
グ「…もう死者も出ている。俺達の村もニャンダール派に買収された隣村の奴らが攻めてきて、無事な奴だけは逃げてこられた。」
ルル「ルルのお父さんもね、いっぱい怪我しちゃってルルとお母さんを逃がすときに捕まっちゃったの。」
ルルは涙を目にいっぱい溜めて呟く。
クレナイはルルの頭をなでると立ち上がって言った。
ク「その内戦私がどうにかしよう。」
グルレ達は驚きのあまり硬直してしまった。
グ「ハァ?!おま、何言って!」
ルル「ホントにどうにかしてくれるの?お父さん、帰ってくる?」
グルレ達の動揺は気にせずクレナイはルルにもちろんと返した。
グ「…だいたい、どうにかって?」
ク「どうにかです!」
アッシャーは鉄格子にもたれかかり、クッと笑った。
ア「それでこそ僕のクレナイだ。」
クレナイは立ち上がり鉄格子の扉を開けて振り返った。
ク「では、行きましょう。とにかく上に話をしないと。」
グ「出ていいのか?」
ク「何でいけないんですか?」
そういってクレナイは笑った。
クレナイはグルレ達が全員出たことを確認すると螺旋状の階段を登ろうと段に足を置き、歩き始めた。
コツコツと靴の音を響かせて階段をあがったあとは会議室までの長い廊下を歩いていく。
すれ違っていく兵士達は一瞬驚くも、
あぁ、と理解してお友達ですか?などと言って来た。
遂に会議室の前に立ちクレナイはグルレ達の方に振り返る。
ク「この部屋に私の同僚とか上司とかいるけど気にしなくて良いですからね。みんないい人ですから。」
ガチャ
重低音のあるノブを回してクレナイは後ろに続く全員を部屋へと呼び込んだ。
ク「じゃあ、グルレさん。話して貰ってもいいですか?何があったのか。」
あぁ、と犬耳を揺らしてグルレは頷く。
グ「まず簡潔に言おう、今俺達の国は内戦を起こしている。」
クレナイとアッシャーが目を見開いた。
ク「内戦?!何で
クレナイが驚くのも無理はなく、
グ「恥ずかしい話だ。事の発端は一ヶ月前に我らが王、ライオネル王が急死した事に始まる。」
グルレが言うにはライオネル王が亡くなったことにより次期王に王からの信頼が厚かった二人の大臣が推薦された。
一人は犬族のワンダフル大臣。
もう一人は猫族のニャンダール大臣。
王がいたときから仲が良かった二人だが、それが突如として変わった。
ワンダフル大臣は農民や庶民に味方をする政策をとると発表し、ニャンダール大臣は貴族や上流階級の者を支援する政策をとると発表したのだ。
庶民の方が圧倒的に数が多いので勝負はついたと思われたが、なんとニャンダール派がワンダフル派を買収したり強制的にニャンダールに投票することを強要すると言った行動が目撃され問題となった。
勿論、意見の分裂したもの達が所各地で小競り合いを起こし始めた。
そしていつの間にか国はワンダフル派とニャンダール派に割れ、両者の支持者を減らす内戦になったという。
グ「…もう死者も出ている。俺達の村もニャンダール派に買収された隣村の奴らが攻めてきて、無事な奴だけは逃げてこられた。」
ルル「ルルのお父さんもね、いっぱい怪我しちゃってルルとお母さんを逃がすときに捕まっちゃったの。」
ルルは涙を目にいっぱい溜めて呟く。
クレナイはルルの頭をなでると立ち上がって言った。
ク「その内戦私がどうにかしよう。」
グルレ達は驚きのあまり硬直してしまった。
グ「ハァ?!おま、何言って!」
ルル「ホントにどうにかしてくれるの?お父さん、帰ってくる?」
グルレ達の動揺は気にせずクレナイはルルにもちろんと返した。
グ「…だいたい、どうにかって?」
ク「どうにかです!」
アッシャーは鉄格子にもたれかかり、クッと笑った。
ア「それでこそ僕のクレナイだ。」
クレナイは立ち上がり鉄格子の扉を開けて振り返った。
ク「では、行きましょう。とにかく上に話をしないと。」
グ「出ていいのか?」
ク「何でいけないんですか?」
そういってクレナイは笑った。
クレナイはグルレ達が全員出たことを確認すると螺旋状の階段を登ろうと段に足を置き、歩き始めた。
コツコツと靴の音を響かせて階段をあがったあとは会議室までの長い廊下を歩いていく。
すれ違っていく兵士達は一瞬驚くも、
あぁ、と理解してお友達ですか?などと言って来た。
遂に会議室の前に立ちクレナイはグルレ達の方に振り返る。
ク「この部屋に私の同僚とか上司とかいるけど気にしなくて良いですからね。みんないい人ですから。」
ガチャ
重低音のあるノブを回してクレナイは後ろに続く全員を部屋へと呼び込んだ。