このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

短い童話風な話

あるところにリンゴの木がありました。
真っ赤に熟れたリンゴは、農夫の手により摘み取られていきます。
しかし、ただ一つだけ、いつまで経っても赤くならないリンゴがありました。
それに気づいた小鳥が尋ねました。
「ねぇリンゴさん。あなたはどうして青いままなの? 成長を辞めてしまったの?」
青いリンゴは答えます。
「いいえ、私は大人よ。ただ、誰も気づいてくれないだけ」
「どうして赤くならないの?」
「他のリンゴと同じなんて、嫌よ」
小鳥はきょとりと首を傾げました、
「あなたが自身を大人だと姿でもって主張しなければ、誰も分からないじゃない。青いリンゴは青いリンゴよ」
「いいえ、いつか私の価値を分かってくれる人が現れるはず」
小鳥はくすくすと笑いました。
「自分を変える行動をしないまま、自分の真の価値を見抜いてくれる人が現れるのを待っているだなんて、それこそ子供じゃない」
小鳥の言葉に、リンゴは真っ赤になって怒りました。
それに気づいた農夫は、赤く熟したリンゴをもいでかじります。
「なんだ、腐ってるじゃないか。食えたもんじゃないな」
時機を逸しすぎたリンゴは打ち捨てられましたとさ。
めでたし?
5/11ページ
スキ