Wellcome to the Villain's world.
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少しだけ入り込んできた日差しに目が覚めて上半身を持ち上げると埃が舞う。あぁ、昨日掃除終わらなかったんだ、と寝不足のせいで少し痛む頭を押さえた。
(せめて布団くらい干しとこ……。)
雑用係としての仕事が始まる初日。ここで掃除を始めて遅れるよりは身嗜みを整える事に注力した方が賢い。昨日もあの後シャワーを浴びてから寝たが、これだけ埃が溜まっている場所で横になったのだから身体も埃に塗れているだろう。もう一度シャワーを浴びた方がいい。あたしはベッドマットのシーツを剥がし、掛け布団と共に抱えた。
掛け布団を干してから、うーん行儀は悪いが仕方ない、シャワー室でシーツも一緒に洗ってしまって干したら部屋で着替えとメイク。それまでにユウちゃん達が起きてこなかったら起こしてそれから出勤。ゆっくりしてたら間に合わないだろが、それ程日も高く昇ってないし多分大丈夫でしょうと高を括った。それは予想通りで、椅子の埃を払い腰を掛けたところで漸く隣から音が聞こえ始める。
(ユウちゃんも起きたかな。)
あたしも急いで化粧をしなければ、とファンデーションのコンパクトを覗き込む。耳元にはゆらゆらとピアスが揺れている。ピアスに付いている石は昨日見た時と同じ真っ黒だ。本当に魔力なんて貯まっているんだろうか、なんて考え始めたところで頭を振る。早く化粧をしてユウちゃんと学園に向かわないと。
あたしは適当に揃えた化粧品でとりあえず顔を整えていく。昨日の夜、クロウリー先生と共に訪れた購買で揃えたものだから最低限のものしかない。しかも料金はあたしのツケである。
(バイトでも出来ないかな……。)
ユウちゃんの下着の事もある。昨日はあたしとクロウリー先生だけで買い物に行ったから、ユウちゃんの下着は所謂ブラトップという物でちゃんとした下着ではない。楽だからあたしは好きだけど、彼女も年頃の女の子だ。ちゃんとしたランジェリーの一つや二つ必要だろう。その他にも女には色々と必要だ。流石に衣食住を保証して貰っている上に給料まで欲しいとは言えず、雑用係の他に何かバイトを探さなければならない。後でクロウリー先生に相談してみよう。
あたしは控えめにアイシャドウを塗り終わるとリップを唇に滑らせる。あまり変わり映えしないが今までのように人前に出るような仕事でもないし、よしとしよう。あたしは部屋を出て談話室を目指した。