そもそもの話
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ビュッフェスタイルの昼食は、元の世界からは考えられないくらいに豪華だ。まぁ、この学園にはどこぞの国の第二王子やどこぞの国の大富豪も通っている事を考えれば納得もいく。一つ一つの料理が豪華なのは勿論、種類も豊富でデザートまである。私は数種類のデザートから今日はパンケーキを選んだ。
勿論ビュッフェのデザートという事が前提な為サイズは小さめだが、とてもふんわりとしていて見ているだけでじわりと唾液が口内に広がる。皆もそうなのか私がパンケーキを見つけたときには残り一つで、その最後の一つを私が手に入れたのだ。特別感も一入である。
けれどもパンケーキはあくまでもデザート。きちんと食事を摂ってからの楽しみである。私は目の前のプレートに盛った、十分心惹かれる料理の数々に舌鼓を打つべく掌を合わせた。
「お、うまそーじゃん!」
いただきますと私が口にするよりも早く、背後から軽い声が聞こえて私のプレートに手が伸びる。あ、と思った時には二切れあったパンケーキは一切れしか残っておらず、エース少年のうま、という感想が残っただけだった。
「エース少年、一発殴らせてくれない?」
「一口くらいいーじゃん。ケチ。」
「エース、アイさんに失礼だぞ。」
私の楽しみを奪った罪は重い。振り返りながらそう言うも、エース少年には痛くも痒くも無さそうで私の隣に皿を置いた。そのまま椅子に腰掛けると私を挟むようにして反対側の隣にデュース少年が腰を下ろす。二人の山盛りプレートにちょっと満腹を感じながらも私は気を取り直して食事に手をつけ始めた。
「んで、ユウちゃんはどうしたの。いつも三人で食べてるでしょ。」
「ユウちゃんならクルーウェル先生に引き留められてたよ。」
ね、トレイくんと笑いながらデュース少年の前に座るのはケイト少年で、それに続いて失礼しますとトレイ少年が私の前に座った。因みに集結した4人の内、私に挨拶をして座ったのはトレイ少年のみである。
二人お皿はエーデュースに比べて控えめではあるものの山盛りだ。それでも流石と言うべきか、ケイト少年のプレートは彩り豊かで見栄えがいい。あれが映えと言うものなのだろう。彼が一枚写真を撮って満足そうにスマホをしまったところで、私は彼のお皿から唐揚げを一つ奪った。