だいすきを伝えて(ミルムル)
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――お兄たまのばか。
つまらないでしゅ。ひとりでお兄たまのベッドに寝しょべっても、本当につまんないでしゅ。
この窓から見える星空しゃんも、まん丸お月しゃんも、この世で最も素晴らしいと言われる、この妖精界の自然もなにも、ボクにはなんの慰めにもなりましぇんね。
――お兄たま、また来ちゃったでしゅ。キャハッ♡
――ムルモ、おめーはおめーの部屋で寝ろ!
――べーっ!
ここに来るたび、お兄たまに枕をぶつけられたのも、今では良い思い出でしゅね。今はまだ、
――じゃあオレ寝るから。ムルモも早く寝ろよ。
――お兄たま、ずっといっしょに……おそばに、いてくれましゅか?
――ったく、勝手にしらぁ……オレが一緒に、ねてやる、守ってやっから……
しょんなこと全部忘れてしまうんでしゅ。バカバカしいことでケンカしたり、嬉しかったり、楽しかった思い出も。思い出すことが辛くなって、悲しくなって、ついにはなにもかも忘れてしまうんでしゅ。ボクが、お兄たまのことを……!
◆
「リボン、落ちてるわよ」
……誰もいないはずの森の中で、いきなり後ろから声をかけられて、驚いて身体が震えましゅ。
「ムルモのおばかたん!」
振り返ると、やっぱり――パピィが立っていたでしゅ。人間の世界に行くまでは、誰にも会わずにいたかったのに。こんな時に限って落とし物をして、よりによってこのパピィに拾われるなんて――
「最悪でしゅ。なにか用でしゅか」
「あたちがわざわざ、あんたの落とし物を拾ってやったんじゃないの」
「パピィはいつも一言多いでしゅ」
「それはムルモの方よ!」
いったぁいっ! 殴られたでしゅ。パピィはボクが繊細に出来てることが分からないんでしゅか……!?
「ねえムルモ、あんたが城を抜け出ちたって、もう噂になってるわよ」
「ふんっ、ボクは人間の世界へ魔法の修行に行くんでしゅよ」
「ほんっと、素直じゃないんだから」
パピィは手に持っているリボンを握りしめて、ボクの服についてるポケットに強引に押し込んできたでしゅ。……どうやらパピィには、ボクの考えはお見通しみたいでしゅね。
「……だからもう、パピィとケンカする暇なんてないんでしゅよ」
「おばか!」
ボクの自慢のぷにぷにほっぺが思いっきりつねられて、びよーんと引き伸ばされて……なにしゅるんですか、パピィ!
「いつものぶりっ子はどうちたのよ!」
「パピィッ……やめて、くだ、ひゃい……!」
「やめないわっ、ムルモが笑うまで……ぜぇったいに、やめないわ!」
パピィはボクのほっぺをぐにゅぐにゅし続けるでしゅ。ほっぺが痛いのと、悲しい気持ちとで、泣きたくないのに……嫌なほどに涙が溢れて出てきましゅね。
「い……やぁ……っ!」
「ムルモはミルモたんのことが好きなんでちょ? 里を出て人間の世界に行くのだって、ミルモたんに会いたいからでちょ!?」
――いちばん言われたくないことを、いちばん言われたくないやつに言われたでしゅ。
「パピィに、ボクの気持ちの……なにがわかるんでしゅかっ……!」
「だったらなんでっ……そんな、悲しい顔するのよっ……」
パピィはようやく、ボクのほっぺをつねるのをやめてくれたでしゅ。ボクの顔を見つめながらにこりと笑って、そして、ほっぺを撫でてきたでしゅ。
「あたちね、ムルモには笑っててほしいから」
パピィは自分の楽器の鈴をポンと出して走り出していくでしゅが、それって……
『ムルモ様ッーーーー!!! お戻りになって下さい!!!』
「しつこい
「パピィ……」
「早く行きなちゃいっ!」
――次の瞬間、パピィはくるりと一回転を決めながら飛び上がって、鈴をシャラリと鳴らしたでしゅ。
「パピィでポンッ!」
瞬く間に巨大なハンマーが現れて、地面に打ち下ろされるでしゅ。王国警備兵しゃん達がふっ飛ばされていくでしゅっ……!
「バイバイムルモ。元気でね――」
着地したパピィはボクに向かってウィンクを決めてきたので、ボクは頷いて、振り返って、背中を向けて走り出したでしゅ――
こうしてボクはめでたく、転送ドームにあるマグカップを通って、人間界に行くことが出来たでしゅ。人間界ではパートナーの松竹しゃん、楓しゃんにも出会えて、リルムしゃんやヤシチしゃんや……それにお兄たまにも再会することが出来て、それで毎日がとっても幸せなんでしゅが――ひとつだけ悩みがあるとすれば、それはボクがお兄たまに『
でも、それでいいんでしゅ。ボクはお兄たまのおそばに居られれば、いつでも幸せなんでしゅ。本当に、それでいいんでしゅから……
◆
キラキラ光る包みを引っ剥がせば、甘い香りがオレの鼻に伝わってくる。この香り、ああ……マカダミアナッツチョコだー! 澄み切った青空の下、でっかい木に腰掛けて食うチョコは最高だぜ。今日はいい天気だし、チョコもうめぇし、言うことねえ。ぷにぷにほっぺがとろけるような、最っ高のチョコ日和だ!
「んんんん……!!! うめー! これだったら毎日でも食いてーぜ! マカダミアナッツチョーコーッ!」
「私が作ってきたお菓子を……と言いたいところでしたが、あいにく結木様の家のオーブンレンジが壊れましたので、頂き物のマカダミアナッツチョコを持ってきましたの」
「そうか、頂き物かー。毎日食うのは無理かぁ……」
「ミルモ様、そう気を落とさずに。近いうちに私がまたお菓子を作って、持ってきて差し上げますわ〜!」
リルムの手作りお菓子――聞いただけでも腹が痛くなってきやがった。結木んちのオーブンレンジが直ったら、またあんなヤバいシロモノを食わされちまうのか……
「どうしましたの、ミルモ様?」
「……けっ、なんでもねえよ」
さっき考えたことをここで口に出せば、リルムの鉄拳が飛んでくるか、蹴りを入れられるか、投げ技で吹っ飛ばされちまう。オレは言い出しかけたことを、慌てて飲み込んだ。代わりに口からポロッと出ちまったことは、いつものオレらしくねーことだった。
「なあリルム、最近ムルモの様子がおかしくねえか?」
「ムルモ様のことですか?」
オレは腕を組んで、リルムの方を向いて話をしだした。
「そうだ。あいつ、最近オレにやたらと触覚ビームを撃ってきやがるんだ。今日の朝もいきなり……」
「いつものことではありませんの?」
「いや、なんか変なんだよ。なんていうか……オレの顔をみるなり撃ってきやがるんだ」
「あら、そういえば。でもムルモ様がミルモ様に触覚ビームをされるのは、いつものことなのでは?」
リルムはわかんねーか。威力がいつもの数倍にまで跳ね上がってやがる。あんなのを何度も食らえば、オレ様でも立てなくなっちまう。
ちなみにオレの場合はムルモが赤ん坊の時から、もうかなりの回数食らってるが、リルムはあいつの触覚ビームを食らったことは無かったはずだ。
「それとだな……学校来るときにあいつ、魔法使ったろ」
「ええ。通り道にマンホールの蓋が空いていたので、ムルモ様は松竹様が落ちないよう、蓋を閉める魔法をお使いになられました」
「そのフタがオレんところに直撃したんだ! それだけじゃねえぞ。その勢いで塀が崩れて下敷きになって、それから電信柱とか鉄骨とか、おまけに雷まで落ちてきて丸焦げになったんだぞっ! いつもならそんなのは全部松竹がくらうはずだ。どーしてオレなんだっ!! いてててっ……」
ケッ、思い出すだけで身体が痛くなってきやがった。リルムは心配したのかオレの身体をさすった。
「ミルモ様、失敗することは誰にだってございます。このことを、もしもムルモ様がこのことをお聞きになれば、とても傷付くと私は思いますわ」
「ケッケッケ〜。もしあいつが聞いてたら『お兄たま、ざまあみろでしゅ!』とか言いながらほくそ笑むはずだぜ。あーあ、暇だし昼寝でもするかぁ!」
「もう、ミルモ様ったら!」
そう言ってオレは目を瞑って寝ようとしたが、目が冴えてきやがった。だんだんとムルモのことが、心配になってきたからだ。
そういやぁ――さっき言ってたやつって、妖精の赤ん坊にある『イヤイヤ期』じゃねえか? でもムルモは妖精学校の一年生だぜ。赤ん坊の時期はとっくに過ぎてやがる。だったら、あいつのあれは一体なんなんだ……?
オレらしくねーや、ったく。オレは閉じていた目をパチリと開けた。
「リルム、オレは今から妖精界に行ってくる」
オレはうちわを取り出して両手に持つと、パタパタ仰いで宙に浮き上がる。
「楓に会ったら、晩飯までには帰るからチョコを山ほど用意しとけって伝えといてくれー!」
リルムに向かってそう伝言すると、オレは楓のマンションめがけて飛び去った。
「ミルモ様はもしかすると……もう、素直じゃありませんこと!」
◆
周りに誰もいないでしゅね。ここは人通りの少ない通りの公園でしゅが、念のため確認しておくでしゅ。ケータイ電話を取り出して、ぱぽぴ……と、ダイヤルボタンを押すでしゅ。
「……もしもし、パピィでしゅか?」
ケータイの画面にパピィが映ったでしゅ。相変わらずぶしゃいくでしゅね。でも、ちょっとだけボクは安心したでしゅ。
『はぁい、あたちよ―――ってムルモ、何かご用? 宿題ならぜぇったいに、写させてあげないわよっ!』
「……ボク、妖精の里へ帰りましゅ」
『え?』
「帰るって言ってるんでしゅっ! お兄たまはボクのことなんて、これっぽっちも見てましぇん。分かってるでしゅ。しょれを分かって、ボクは人間界に来たでしゅから……でもっ……!」
『おばかたん! あんた、ミルモたんにアタックはちたの?』
「してないでしゅ。だってお兄たまにはリルムしゃんが……」
『だとちてもアタックしなきゃ! 後悔するのはムルモなのよ。ずっと好きだったんでちょ?』
ずっと好きでしゅ。――今までも、これからも。好きなことで辛くなっても、悲しくなっても、ボクが大きくなっても、お兄たまが結婚しても、それでもお兄たまのことを、ボクはずっとずーっと
「どうしてもだめなんでしゅ」
『どうちて、ムルモのわからず屋!』
「そうでしゅ。だから帰るでしゅ……」
「おいムルモ、連絡する手間が省けたぜ」
この聞き覚えのある声を聞いて、ボクはドキッとして、振り返ったでしゅ―――
「今から付き合え。オレと一緒に来い」
やっぱりお兄たまでしゅか。ホント、お兄たまはエスパーなんでしゅかね? それに、この
――でも気になってチラリとお兄たまの方を見ると、なんとボクのマグカップを持ってきてるでしゅ!
「お、お兄たま……!?」
「さっきミモモのやつに運んでもらったんだ。ムルモ、行くぞ!」
お兄たまがボクの手を掴んできましゅ。
「ままま待つでしゅ、ボク、心の準備が……」
「ケツアターーック!!!」
完ッ璧な位置と角度のお兄たまのケツアタックがHITでしゅ……!
「きょ、強烈でしゅぅ〜……」
このままマグカップにホールインワンして、そのまま妖精界に飛ばされたでしゅ。
◆
「あらあら〜、ミルモくん。ムルモくんも一緒なのねえ」
「ナーシ先生、ご無沙汰してましゅ。ずっと、ずーっと会いたかったでしゅ! キャハッ♡」
お兄たまに手を掴まれながら、どこへ連れて行かれるかハラハラしたでしゅが、妖精学校の保健室で安心したでしゅ。前で出迎えてくれたナーシ先生にとっておきのスマイルを見せると、微笑みかけてくれたでしゅ。まさに白衣の天使でしゅね。
「ムルモくんは笑顔が素敵ねぇ」
「ぶりっ子してねーでさっさと診てもらうぞ」
お兄たまに保健室の椅子に座らされて、ボクとナーシ先生は向き合ったでしゅ。
「どこか具合でも悪いの?」
「ムルモの様子がおかしいんだ」
「どれどれ……ほっぺは異常なさそうねえ。次はお口を開いてねぇ」
ナーシ先生は診察を始めたでしゅ。ほっぺをぷにぷにと触ってから、目を凝らして、お口をみてましゅね。
「あぁーん……ボク、具合なんてどこも悪くないでしゅよ♡」
「うーん、そうなの……」
ここはぶりっ子で乗り切るでしゅ。お兄たまの方は、できるだけ見ないように……
「いきなりだけどよぉ、妖精の赤ん坊がなる、イヤイヤ期みてぇな病気を知らねーか? こいつ、このところ魔法と触覚ビームの暴走がひどいんだ」
お兄たまがボクのほっぺをつんつんしてくるでしゅ。
「ボクを赤ちゃん扱いでしゅか? お兄たまひどいでしゅっ!」
「ああそうだ。てめーなんかこうだっ!」
――しまったでしゅ、引っ込みが利かないでしゅ!
と思った瞬間、お兄たまはボクのほっぺをつかんで、引っ張ってきたでしゅ! ひどいでしゅよお兄たま……もうガマン出来ないでしゅ―――
「――触覚ビィーームッ!!!」
「あ゙ぁたたたたたあぁ、いてぇーーーー!!!」
お兄たまの断末魔が、保健室中にこだましましゅ。
ボクは思わず顔を抑えたでしゅ。次の瞬間にはお兄たまはぷすぷすと音を立てて、炙りすぎた焼きマシュマロのように、黒焦げになって倒れ込んだでしゅ。
「あっ……しまったでしゅーーっ!」
ボクは真っ黒なお兄たまの胸に飛び込みましゅ。
「ごめんなしゃい、お兄たま……」
「……いつものことだろーが」
「でも……」
「謝んなっ!」
「お兄たま……っ!」
涙を流しながら、お兄たまの胸にほっぺを近付けたときでしゅ。
「あだだだだーーーーーっ!!」
触覚が触れたはずみでお兄たまを気絶させてしまったでしゅ。またまた……やってしまったでしゅ。キャハッ♡
◆
「ミルモたん、大丈夫? なにかあったの?」
「……大変なことになったんでしゅ」
さっき保健室に来たばかりのパピィが目を見開いてましゅ。ナーシ先生はお兄たまの傷の手当てを終えたところでしゅ。でも、お兄たまはまだ痛そうにしてて、身体をずっと押さえてましゅね。
「うっ、流石に一日に三回も食らうといてーや……」
「これで大丈夫よ。みんな、落ち着いて話を聞いてね」
「ムルモくんの症状は、恐らく『イヤイヤ病』ね。ミルモくんの話と、ムルモくんの様子を見て確信したわ」
「イヤイヤ病って、妖精の赤ん坊がなる『イヤイヤ期』のことか?」
「正しく言うと、イヤイヤ期は赤ちゃんと子供の間の時期のことね。――イヤイヤ病っていうのは、妖精の子供がイヤイヤ期のような状態に再びなることがあって、それを指すの。かかる時期はその子によってまちまちで、かからない子もいるけど、ムルモくんの年頃ならかかってもおかしくないわ。
たいていの子は数日間だけイヤイヤ期みたいに、魔法パワーが暴走したり、本人の気持ちに関わらず、家族や親しい相手に強力な魔法をかけてしまったりするのよ」
「でもこいつ、もう一週間はこんな感じだぜ」
「一旦、アタシとムルモくんだけにしてくれないかしら? 見ておきたいことがあるの」
「分かった!」「分かりまちた!」
お兄たまとパピィが揃って外に出たあと、ナーシ先生は望遠鏡のようなものを取り出して、それを覗き込んだでしゅ。
「難しいことになったわねぇ……」
「なにがでしゅか?」
「さっきアタシは『魔法スコープ』を使って、ムルモくんの様子を診たのだけれど――ムルモくん、あなたには『恋心』があるわ」
「認めたくないでしゅが、図星でしゅね……」
ナーシ先生は『魔法スコープ』をしまったあと、ボクの目を真剣な表情で見つめて、話しだしたでしゅ。
「イヤイヤ病は妖精の気持ち、特に『恋心』に強く働くの。こういったケースは滅多にないことだけど、ムルモくんの場合、早く治療しないと魔法パワーの暴走で身体や心にダメージが残って、魔法が使えなくなる可能性があるわ。この事態を食い止めるためには、今すぐ恋心を『恋心スイトール』を使って吸い取るしか……」
『ちょっと待ったぁ!!!』
どんがらがっしゃーん!!!
物凄い音を立てて、保健室の扉が倒れてきたでしゅ、ある意味予想通りかもしれましぇんね。倒れた扉の上にいるのはパピィとお兄たま……
「オレの弟の大事な恋心を吸い取るなんざぁ、ナーシ先生でも許さねえぜっ!」
「あらあら、聞いていたのね……」
例のふたりが猛ダッシュで戻ってきたでしゅ。
「お兄たまっ……!」
「おう! それにしてもムルモ恋してたのか!? ホントにおめーも水くせぇよなー」
お兄たまがボクに近付いてきたでしゅ。キラキラと目を輝かせて、ボクの手を握って、ぶんぶん振って、おまけにほっぺを手でぷにぷに·····
「やめてほしいでしゅーっ!」
「あだだだだーーーーっ!」
またまた触覚ビームが暴発したでしゅ。でもお兄たまはフラッと倒れた瞬間に不死鳥のごとく、何事もなかったかのように立ち上がってビシッとポーズを決めたでしゅ。
「あったり前じゃねーか、オレは恋の妖精だぞ。それでおめー、誰が好きなんだ? オレ様がウブな弟に、恋が何たるかを教えてやる! このこのこのーっ!」
お兄たまはボクの頭をぐりぐりしてきたでしゅ。――やっぱり、ボクがお兄たまのことを好きなことには全く気付いてなさそうでしゅね。それにしても、いつになくやる気満々のお兄たまでしゅね。恋の妖精パワーをこんなときに発動させられても、ボクが困りましゅ……
「ムルモ、恋心を捨てちゃだめよ! せっかく好きなんでちょ? だったらこのさいミル……」
パピィが言いかけたことを、ボクがパピィの口を塞いで、止めるでしゅ。
「それ以上言うなでしゅ!」
「んぐぐっ……!」
つい恥ずかしくなって、言い返しましゅ。
「なにすんのよムルモのおばか! 今言わなきゃいちゅ言うのよ!」
「パピィこそ、ボクの気持ちも知らずにしゅき勝手言ってきて、ホント迷惑でしゅ!」
「なによ、あんたのことを思って言ってるんでちょ!」
「ぶしゃいくなくせに余計なお世話でしゅよ!」
パピィとの口ゲンカがエスカレートしていくでしゅ。お兄たまやナーシ先生もいるのでやめようと思ったでしゅが、こうなったら止まりましぇん!
「あんたこそぶちゃいくよ! そんなあんたがあたちに勝とうなんて100万年早いのよ!」
「いーや、早いのはパピィの方でしゅよ!」
「なんでちゅって!? ムカムカーー!」
睨み合いののち、パピィの拳で星が見えて、向こうの壁まで吹っ飛ばされたでしゅ。
「ごめんなちゃい! あたちつい……」
「ムルモ! そうかてめー……パピィともうデキてやがるのか……」
『ぜぇーったいにないでしゅ(でちゅ)!!』
思っても見なかった言葉に、ボクとパピィの心からの叫びが同時に、おまけに意見も珍しく揃ったでしゅ。
「だったら、ふたりでデートするのはどーだ?」
「ミルモくんのアイデア、とてもいいじゃない! ふたりはデートすることは、どう思うの?」
瞳を輝かせて微笑みかけるふたりには、ボクとパピィはものすごくたじろいだでしゅ。しかし、ここで負けるボク達じゃないでしゅよ。
――今日のお兄たま、どうしたんでしゅかね。
――ナーシ先生もノリノリよね。
――このままだとヤバいでしゅ。
――この場はひとまず収めまちょ、あたちがなんとかするわ。
「だいたいねぇ···だーいすきなー、ムカつく···ムルモと、デートなんて……ほんっとうにぃ···あ、あきれ···あきらめなくて良かったわっ!」
パピィと以心伝心(耳打ち)で話したあと、パピィが一芝居打ってくれたでしゅが、ほっとんど本音がダダ漏れでしゅ。こんなのがボクのお兄たまに通用するんでしゅか?
「よしっ! ムルモにパピィ、そーゆうことならデートの日取り決めとけよな!」
ぜんっぜんバレてないでしゅ。
「よかった!(演技ちたかいがあったわ!)」
「じゃあ、オレはデートの準備に取り掛かるぜ。メール入れとくから見とけよー!」
「はいでしゅー!」
倒れた扉を飛び越えて、お兄たまは保健室を出ていったでしゅ。そのあと、ナーシ先生は「そうよっ!」と叫んで手をポンと叩くと、ボクたちに話しかけたでしゅ。
「ムルモくんパピィちゃん、聞いてくれる?」
「はいでしゅ(でちゅ)」
「ムルモくんの恋心のことなんだけど、アタシは最初、ムルモくんの心身のダメージを考えて、恋心スイトールで一旦、身体の外に出すことを考えていたの。
でもね……パピィちゃんやミルモくんを見て、考え直したわ。恋心はムルモくんのアイデンティティに関わる大切なものだわ。治療のためとはいえ、外に出すのはやめようと思うの。その替わりに別の治療法を提案するわ」
「しょれって、なんでしゅか?」
「ムルモくんが好きな子に告白するのよ。そうすれば恋心を失わずに、魔法や触覚ビームの暴走を止められるわ」
好きな子に告白する……この言葉、いっちばん重い一言でしゅね。だってボクがしゅきなのは……あのわがままで意地っ張りの、妖精界いちプリティなボクの思い通りに決してならないくせに――頼りがいがあって、本当はとっても世話焼きでボクに優しい、あのお兄――
「ってことは、ムルモが……ミルモたんにアタックちたらいいのよっ!」
いきなりパピィが拳を振りあげて、ドスの利いた声で叫んだでしゅ。戦闘モードに入ってましゅ……だったら――やるしかないでしゅね。ボクは迫りくる数々のパンチを瞬発的に反らして避け続けましゅ。
「なんか文句あるのっ!?」
「……絶対、じぇーったいにダメでしゅ!」
「せっーかくっ、ミルモたんに告白できるのよ! やらなきゃ絶対損ちちゃうわっ」
「パピィが張り切ってどうしゅるでしゅかっ!」
もう、こうなったらカウンターでしゅよ! 右、左、右、下、斜め左! パピィの攻撃パターンはもう見切ったでしゅっ、拳を受け止めるでしゅ!
「あたちのパンチがぁ……!」
「甘いんでしゅよっ!」
パピィがよろけた今がチャンスでしゅ! ボクの反撃ビンタがピシャリと決まってフィニッシュ、逆転KO勝ちでしゅ!
「ざまあみろでしゅ」
「あんたもちょっとは、やるじゃないの……」
◆
「――あらあら、ムルモくんって本当はミルモくんが好きだったのねえ、そう思ってはいたけれど、言わないほうがいいと思ったの。さっきはごめんなさい」
「言うなでしゅっ!」
「もうとーっくにバレてたでちょっ!」
「ムルモくんとパピィちゃん、日取りを決めましょう。なるべく早い方がいいわ」
「だったら
「パピィの都合でしゅか。でもボクも
「ちょれなら決まりね!」パピィは嬉しそうに指をバチンと鳴らしゅと、ボクの手を握ったでしゅ。
――確かに、パピィの言うとおりかもしれないでしゅ。こうなったら、もう後には引けないでしゅね……
「明日は学校が午前中までだから、午後は空いてるの。あちたの午後一時に、妖精デパートの前に集合ちまちょ! ウブなあんたのための作戦会議を開くわ!」
「ムルモくん、魔法パワーの暴走を止めるお薬を渡しておくから、ちゃんと飲んでおくのよ。デート当日はアタシもムルモくん達の様子を見に行くことにするわ。場所や時間が決まったら、教えてね」
「わっかりまちた!」
そんなこんなで、ボクとパピィは保健室を後にしたでしゅ。
「ムルモ、ついにミルモたんとデートねッ! あたちとっても楽ちみなのよ!」
「…………」
「ムルモ、さっきからなんで黙ってんのよ」
「……パピィ、一緒に来てほしいでしゅ――」
◆
侵入成功だぜ。といっても、ここはミルモの里の城にあるオレの部屋だ。城門から入るのが面倒くせえから、窓まで飛んで忍び込んだんだ。まぁ、一応修行中ってのもあるがな。
――ミルモ。お前はいずれ、この国の王になるのじゃぞ。そのような振る舞いをしていては、我が王家の力を受け継ぐことなど……。
「……ああぁっー! なんでこんな時にクソ親父のこと思い出すんだ、チキショーッ…!」
オレはバンッと窓の扉を閉め、すぐ横にあるベッドにダイブした。ベッドに寝そべりながら、天井スレスレまで枕を放り投げる。下でキャッチしてそれを繰り返す。
「遊園地のチケットも用意したし、やることはやったよな。それにしてもムルモのやつ……」
――あいつは小せえ頃からぶりっ子してて、物凄え腹黒で、生意気で可愛くねーやつだったな。そのくせ泣き虫の弱虫で、オレにべったりくっついてきて、毎晩『ボク、お兄たまと一緒に寝たいでしゅ!』とか言ってオレの部屋まで来てたよな。そんなあいつも恋するってことは、ちったあ一人前の男に向かって成長してるんだな……。
「――この匂い、ムルモの匂いだ。もしかしてあいつ……」
オレは不意に、ベッドからムルモの匂いがすることに気付いた。
匂いってのは、妖精が発するオーラのようなもので、妖精が居る場所や、使ってる物なんかに染み付いてることが多い。ムルモが人間界に来てからしばらく経つがまだ匂いが染み付いてるってことは、あいつはここがよっぽど気に入ってたみたいだ。オレが人間界に出ていったあとも、ここで寝てたんだろうな。
――お兄たま、ずっといっしょに……おそばに、いてくれましゅか?
もう、一緒に寝てなんかやれねーのによ……あいつは妖精学校に入ったり、人間界に修行しに来てちったあ成長したんだ。もう昔のムルモとは違う。パピィとの件だって、あいつがそれだけ大人になったってことだ。だからムルモもデートしたり、
「おかしくねーんだよなあーっ!!!」
オレはチカラいっぱい枕を天井に放り投げると、枕が跳ね返ってきやがってボフンと食らった。顔が引っ込むかと思ったぜ。いてて、くっそー……! オレは思わず頭を押さえてうずくまった。スタープレーヤーだった頃の血が騒いぢまったじゃねーかっ。
オレはベッドから飛び起きて、クローゼットの扉を開けた。
――多分ムルモは、ここで毎晩何かを願ってた。
それでオレがここまで引き寄せられたんだな。オレのパートナーの楓が、凄まじく強え『願う力』でオレを呼び寄せたように。
「確かここに入れといたんだよなぁ……」
クローゼットの奥から、ボロボロのリボンを見つけて引っ張り出す。リボンを出すとき、親父から押し付けられた妖精の魔法陣が描かれたペンダントが一瞬見えてドキッとした。
気にしねぇ……オレにはオレのやり方があるんだから。
「そんじゃ、いっちょいくか!」
オレはさっきまで寝そべっていたベッドの上にリボンを置いた。
『妖精の力を強くする方法』を試そうと思ったんだ。妖精の力ってのはそれぞれ、妖精自身が持つ『妖精パワー』、妖精の魔力『魔法パワー』、楽器の持つ『楽器パワー』、そして『願う力』の四つのことだ。
学校で習った『妖精の力を強くする方法』は、この四つの力を強く出来る。それには妖精の匂いと、力を込めるための道具、それに願う力が必要だ。妖精の匂いと道具、願う力は揃った。あとはオレのチカラ次第ってわけだな。
オレは魔法をかけるためのマラカスを、ポンと取り出してポーズを構えた。
「……いくぜ。ミル、ミル、ミルモでポーン!」
マラカスを振ってダンスを踊ると、眩しいくらいの黄色い光で辺りが包まれて、オレは思わず目を腕で塞いだ。光がやんでから目を開けると、ボロボロだったはずのリボンがキラキラと輝きを放って、新品みたいになってるじゃねーか!
「別物みてえだ……ってことは、魔法は成功したんだな! やったぜ、やったぁー!」
オレは嬉しくなってリボンを握りしめながら、思わずガッツポーズをした。
オレはこのリボンに『願いを叶える力』を込めた。効果は一度きりだが願い事をかけりゃ、リボンに込もった魔法の効果で、その願い事が
「オレ、いつまであいつの『兄貴』でいられるんだろうな……」
オレはまたベッドに寝転がった。ふとこぼした言葉がオレの心にトゲみてえに深く突き刺さった。……今日のオレ、どーした? ムルモのことで心配になったり、イライラしたり、すっげー嬉しくなったり……。まるでいつものオレじゃねえ。これじゃまるで、オレがムルモのことを――
――すき、みてえじゃねーか。
抱いていた想いがなんなのかようやく分かった。
――『オレ』は『ムルモ』に『恋』してる。
いつからか、あいつが小せえ頃から、下手すりゃ生まれたときから……。ずっとオレは、ムルモのことが好きだったんだな……。
オレは深い呼吸をして目を閉じた。気付くのが遅かったかもしれねーけど、それでも気付かないよりはマシだ。それにムルモが弟なのは変わらねーし、あいつに幸せになってほしいって気持ちも間違いねーんだ。好きなやつなら尚更だよな。
『だいすきだからな』
誰に向けるでもない
◆
「ねえ、ムルモちゃんにパピィちゃん、一緒に揃ってどうしたの?」
楓しゃんの部屋のテーブルに立って、ボクとパピィはふたりと向き合いましゅ。
「楓しゃんにリルムしゃん、一日だけでいいから、ボクにお兄たまを下しゃい」
「ムルモちゃん?」
楓しゃんはボクをみて「?」という表情をしたでしゅ。リルムしゃんは黙っていましゅ。顔も、ボクの所からは見えましぇん。ボクとパピィは一瞬だけお互いの顔を見合わせて、事情を話し始めたでしゅ――
「――とまあ、そういうことなんでちゅ」
「それってえっと、つまり、ムルモちゃんとパピィちゃんがミルモにデートさせられそうになってるけど、ムルモちゃんは他に好きな妖精がいて、それがミルモだから止めてほしいってこと?」
「そうでちゅ。それにムルモはミルモたんに告白しないと、魔法が使えなくなるかもちれないの」
「なあんだ、そんなことだったらお安い御用――って、 えええぇっ? いったいどーゆうこと!? ムルモちゃんってミルモのことが好きーーー!???」
楓しゃんは、驚きのあまりなのか謎のポーズを決めて、今度はテーブルを叩いて身を乗り出してきたでしゅ。リルムしゃんのほうは顔を俯けたままでしゅね······
「ムルモはミルモたんのこと、ずっと好きだったの。恋ちてるのよ」
「そうだったの!? でもミルモには······」
「しょんなのはただのわがままでしゅ……だから、誰にも言わないつもりだったんでしゅ」
「ムルモ······」
「ボクがお兄たまのことを好き――しょんなことを言ったとして、打ち明けたとして、いったい誰が幸せになるんでしゅか? 周りの人を困らせたり、傷付けるだけでしゅよ」
場の空気がすごく重い空気でしゅ。楓しゃんはショックを受けて頭をボクに向けたままフリーズしてましゅし、それにリルムしゃんなんてもう······
「ムルモ、ここまで来てまだちょんなこというの? ほぉんと、おばかはこれだから困るわ」
すぐ横にいたパピィが口を開いたでしゅ。そしてボクの肩に手を置いて、怖いくらいに真剣な表情をしてきましゅ。
「なんでしゅか······?」
「聞きなちゃい! これからムルモは一世一代の告白をするの。相手がミルモたんで、周りからどう思われたっていいじゃない! 大事なのはムルモがどうしたいかでちょ?」
「ボクが、どうしたいか······」
悔しいでしゅがボクにはそんなパピィが、恐ろしい魔王に立ち向かうカッコいい勇者のように見えたでしゅ。でもっ······!
「……やっぱりボクには無理でしゅ。――やってはいけないことなんでしゅ」
「ムルモ様。どうか、どうか······そんなことをおっしゃらないでっ······!」
リルムしゃんがせきを切ったようにパンと口を開いたでしゅ。
「本当のことをお話し致しますわ。ミルモ様と私は――婚約者ではありませんの」
「婚約者じゃないってどうして······!? リルムちゃんはミルモのことがずっと大好きで、ミルモと結婚するのが昔からの夢だって話してたじゃない!」
楓しゃんの声を受けてリルムしゃんが顔をあげたでしゅ。目にはパールのような涙が、きらりと浮かんでましゅ。
「私の好きな人は今までも、そしてこれからも、ずーっとミルモ様ですわ。でも······」
「――妖精界の決まりでは、婚約式での『お菓子交換』を経て、晴れて正式な婚約者として認められますの。
でもミルモ様は婚約式の会場に現れず、私はサリア様とご一緒に、ミルモ様をお部屋まで迎えに行きました。あの時に言われたことは今でも忘れないですわ」
「ねえリルムちゃん、ミルモになんて言われたの?」
「それは······」
――いまオレが婚約しちまったら、こいつはいったいどうなるんだ! こいつは······ムルモはまだ小せえから、ひとりじゃねられねーんだぞ!
「······お兄たまが、しょんなことを?」
「はい。ミルモ様はその時、ちょうどおやつ前のお昼寝をするムルモ様のお側にいたのですわ。
これは後から知ったことなのですが、婚約式の『お菓子交換』の儀式を済ませると、婚約者以外の相手とは同じベッドで寝れなくなって、もし他の相手と寝た場合、大変な罰を受けると掟にあるそうですわ。この頃よりミルモ様は幼いムルモ様の寝かしつけを毎日のようにしていました。そのことがあり、ミルモ様は婚約式を踏みとどまったのでございますわ。そしてミルモ様は、私にこう申しました」
――すまねえ、リルム。今のオレはおまえとの婚約はできねえ。あいつはオレのかけがえのない弟で、オレはあいつの······ムルモの兄貴なんだ。婚約式はムルモが一人前の妖精になるまでまってくれ。そしたら、婚約でもなんでもしてやらぁ。
「結局、ミルモ様と私の婚約式は中止になりましたの。ですから私は、ミルモ様の正式な婚約者ではありませんわ――でも、これで良かったと私は思っていますの。婚約や儀式といった形よりも、心から自分が大切にしている存在である、ムルモ様に寄り添うことをミルモ様は選択なさいました。そんなミルモ様のことを私は、心の奥底から尊敬しておりますわ」
リルムしゃんはボクのそばまで寄って、お花が咲くように微笑みかけて、目を輝かせながらボクを真っ直ぐ見つめたでしゅ。
「私、前々からムルモ様が、ミルモ様をお慕いしていることは気付いておりましたの」
「リルムしゃん······」
「ムルモ様。ミルモ様はああ見えて、ムルモ様のことを大切に思っていますわ。この機会にご自分の正直な想いを打ち明けてみてはどうでしょう? 私もお力添えいたしますわ」
「ボク、上手くできるか分からないのでしゅが、お兄たまにアタック······告白してみましゅ」
リルムしゃんはボクの手を握ったでしゅ。
「パピィさんも、ムルモ様の背中を押してくださりありがとうございます」
「リルムたん、あたち達でムルモの告白を協力しまちょ!」
「はい!」
リルムしゃんとパピィは見つめ合いながら、瞳をメラメラと燃やしましゅ。
「よかった、本当によかったっ······! あたし、リルムちゃんとムルモちゃんが大ゲンカするんじゃないかと思って、すごくハラハラしちゃった!」
楓しゃんは目をうるうるさせて、ボクとリルムしゃんとパピィを抱きしめてきましゅ。そしてこう言い放ったでしゅ。
「わたしも手伝う! リルムちゃんもムルモちゃんも、それにパピィちゃんもわたしの友達だもの。それに······あのミルモを一泡吹かせるチャンスなんだからっ!」
楓しゃん、瞳に炎をメラメラと宿らせて、いつになく凛々しい表情でしゅねっ······!
「楓様······?」「楓しゃん(たん)?」
「話を聞いてて思ったの。ミルモって、ムルモちゃんにすごーく冷たいもん!」
「それは······」
「そうでしゅね……」
「いくらミルモだからって、兄弟だからってムルモちゃんに対して「うるせーっ!」とか「あっちいけっ!」とか、全っ然素直じゃないもん。それにミルモにはいっつもチョコ買わされて、毎月のお小遣いがぜ~んぶ空っぽに無くなっちゃうから、そのお返しよっ!」
「お返しでしゅか?」
「あたしのこの恨みを、ぜ~んぶお返ししてあげるわ! なんてね♡」
「まるで安純様のようですわ······」
楓しゃんにこんなこわ~い鬼の形相をさせるなんて、さすがはわがままフェアリーお兄たま、とっーても手強い相手でしゅ……! ボクはそんな
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