High&Low
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
目の前に並べられた2枚のトランプカード
私は顎に手を当ててしばらくそれを凝視していた。8という数字だけが見える私が今答えるべきセリフはHigh、もしくはLow。この二言のどちらかだった。
ルールはシンプル。親に差し出された2枚のトランプの内、数字が見えるのは1枚だけ。もう片方の裏返しになったカードの数が、見えている数字より低いか高いかを当てる、言葉通りシンプルなゲームだ。
しかし大の大人がこうも本気で頭を働かせて唸っているのは、何を隠そうこのゲームに含まれた"ギャンブル要素"が要因である。
「High」
「くっ…」
私の答えを聞いた彼は、そう悔しそうな声を漏らして裏返しになっていたカードの数字を表へ見せた。それは『10』のカードだった。
「いや🌸ちゃん強過ぎやろ!もう2回連続当たりやん!」
「次当てたらまた私の勝ちだな」
既に5回勝負を繰り広げて、私が勝ったら簓にクリームソーダ1杯を、簓が買ったら私にほうじ茶ラテを1杯奢ることになっていた。その勝負は3対2で私が勝利した。その時点で簓の奢りが決定しているが、何故か今度はスイーツ枠を賭けて2回戦を挑まれた。
「じゃあ今度は…これや!」
バンッ!バンッ!とテーブルの上に叩きつけられた2枚のカード。その内の1枚の数字は4。
4となると本来ならHighの可能性が高いが、今まで簓が差し出してきたカードのパターン的に、Lowである3、2がうつ伏せになっているのも疑える。
顔色を伺うように、カードから簓の方へ視線を移した。彼はただ私の答えをソワソワと待っている。
おやつの為に開けたスナック菓子を1つ摘み「あーん」と彼の近くへ差し出す。彼は素直に嬉しそうに身を乗り出して口を開けるも、パクリと食らう寸前にはっと我に帰ったような声を出せば体勢を元に戻した。
「だ、騙されへんで!そないして俺を引っ掛けようとして!」
「別に関係無いじゃん、食べるかなーって思ってさ」
手にしていた菓子をパクリと食べるも、視線はカードに戻さず彼を見据えて留まっていた。トトントトンとテーブルの上で踊る指先が奏でる音だけが聞こえる時間が数秒流れる。
「ささ、はよ答えんかい」
「どうしよっかなー…」
ここは、これまでのパターンを考えて簓の心理の翻しに賭けよう。今まで彼は前後の数の多さに忠実に従うより、少ない方の数字を並べて出していた。今度こそ勝ち色の多い方の数を出してくるだろうと私が思っているのを相手が推測しているか否か…よし、ここはやはり賭けだ
私はそう決めて裏替えになったカードに手を置いて口を開いた。
私は顎に手を当ててしばらくそれを凝視していた。8という数字だけが見える私が今答えるべきセリフはHigh、もしくはLow。この二言のどちらかだった。
ルールはシンプル。親に差し出された2枚のトランプの内、数字が見えるのは1枚だけ。もう片方の裏返しになったカードの数が、見えている数字より低いか高いかを当てる、言葉通りシンプルなゲームだ。
しかし大の大人がこうも本気で頭を働かせて唸っているのは、何を隠そうこのゲームに含まれた"ギャンブル要素"が要因である。
「High」
「くっ…」
私の答えを聞いた彼は、そう悔しそうな声を漏らして裏返しになっていたカードの数字を表へ見せた。それは『10』のカードだった。
「いや🌸ちゃん強過ぎやろ!もう2回連続当たりやん!」
「次当てたらまた私の勝ちだな」
既に5回勝負を繰り広げて、私が勝ったら簓にクリームソーダ1杯を、簓が買ったら私にほうじ茶ラテを1杯奢ることになっていた。その勝負は3対2で私が勝利した。その時点で簓の奢りが決定しているが、何故か今度はスイーツ枠を賭けて2回戦を挑まれた。
「じゃあ今度は…これや!」
バンッ!バンッ!とテーブルの上に叩きつけられた2枚のカード。その内の1枚の数字は4。
4となると本来ならHighの可能性が高いが、今まで簓が差し出してきたカードのパターン的に、Lowである3、2がうつ伏せになっているのも疑える。
顔色を伺うように、カードから簓の方へ視線を移した。彼はただ私の答えをソワソワと待っている。
おやつの為に開けたスナック菓子を1つ摘み「あーん」と彼の近くへ差し出す。彼は素直に嬉しそうに身を乗り出して口を開けるも、パクリと食らう寸前にはっと我に帰ったような声を出せば体勢を元に戻した。
「だ、騙されへんで!そないして俺を引っ掛けようとして!」
「別に関係無いじゃん、食べるかなーって思ってさ」
手にしていた菓子をパクリと食べるも、視線はカードに戻さず彼を見据えて留まっていた。トトントトンとテーブルの上で踊る指先が奏でる音だけが聞こえる時間が数秒流れる。
「ささ、はよ答えんかい」
「どうしよっかなー…」
ここは、これまでのパターンを考えて簓の心理の翻しに賭けよう。今まで彼は前後の数の多さに忠実に従うより、少ない方の数字を並べて出していた。今度こそ勝ち色の多い方の数を出してくるだろうと私が思っているのを相手が推測しているか否か…よし、ここはやはり賭けだ
私はそう決めて裏替えになったカードに手を置いて口を開いた。
1/3ページ