羽休めは君の隣で
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気管支喘息の原因は、アレルギー、気圧など複数挙げられているが、その中でも代表的なのは"ストレス"だった。確かに最近年度が変わって、与えられる課題の量や成さねばならぬこと一つ一つに使う労力が多くなったかもしれない。
そんな私に、簓が今度の休みの日に植物園に行こうと提案した。ストレス解消のために、花や木などの植物に囲まれる環境が良いのではないか、と考えたようだ。
予定していた通りの水曜日に、簓が運転する車の助手席に乗り、好きなアーティストの曲を聴きながら流れていく外の景色を眺めていた。
「体調はどや、今朝は大丈夫やったんか?」
「うん、今日はなんともなかったよ」
簓の言葉に返事をすると、運転席と助手席に設けられたダッシュボードに置かれていた水筒を手に取り、中に入れてきた温かい焙じ茶を一口飲んだ。
簓と他愛もない会話をしていると、はぁと溜息混じりに「零みたいに、片手で運転出来ればなぁ…」と簓がぼやき出した。
「なんで?」
「空いた手で🌸ちゃんと手繋げるやん」
「え、零さんと車で手繋いでんの?」
「はっ⁉︎ちゃうわ!ンなわけあるか!」
分かりやすく動揺しながら弁解する簓に、私は思わず鼻で笑って「私はいいから、安全面優先してくれ」と返した。
「せやなぁ…逆に緊張して手元狂ってまうわ」
「余計危ねぇじゃん」
しかし根っからの悪ガキである私は、赤信号で車が停まった時を見計らって肘置きに置かれていた簓の手を取って軽く握った。
「っ……ほんま…」
普段からオンオフ関係無く口達者で、その高いトークスキルからバラエティやワイドショーに引っ張りだこの人気お笑い芸人、白膠木簓。
そんな彼から言葉を奪って必死に探させることことができるのは、私以外に存在するのだろうか。