憧れていた、中学校の体育館、バスケットボール、ゴール、バッシュの擦れる音。
私はプレイヤーではなく、マネージャーとしてそこに居た。

プレイヤーとして居られない事を悲しいと思わない位、私は山道先輩のプレイにハマった。
自分がそう動きたかった様に、理想のフォームで先輩は目の前でプレイを魅せてくれた。

何故だろう、楓のプレイに嫉妬したりしていたのに、先輩のプレイはただただドキドキした。
この人が上手くなっていくところをずっと見ていたい。
そう思った。

先輩とはすぐに部活以外でも話す様になった。
背が高いから‥学校で先輩は見つけやすかった。
先輩はいつも人に囲まれて居た。
いつも同じグループだ。

先輩の周りには女の人も居て、仲良さそうに腕を組んでたりした。
周りでは男子とそんな風に接する女子は居なかったから、何だか先輩達が凄く大人の様に思えた。
先輩にはきっと、私はお子様に見えるだろう。
あんなに先輩と堂々と喋る事なんて、私には出来ない。