それを恋と読んでいた〜仙道•中学編〜
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仙道は仁美に微笑み返しながら思った。
ほら、やめて良かった。
俺と君との距離はいつもこの距離だ。
少しは待ちぶせしてくれたり、思わせぶりな態度を取ってくれたら、いつだって抱きしめに行くのに。
君はいつもこの距離を縮めてこようとはしない。
「だから、俺はもう行くよ。」
二階の仁美に向かって仙道は言った。
聞こえているはずはないが、仁美はすっと手を下ろし、笑顔のままなびいていたカーテンに消えていった。
仁美の姿が見えなくなったのを確認して、仙道は正門へ向かって歩き出した。
もし次に会う事が出来たなら、どうか今よりも綺麗になっていないで。
そう願った15歳の春だった。