後何回あんな仁美の笑顔が見れるか。
仙道は少し切なくなった。

全国大会までの期間に、夏休みがある。
今年もお盆には花火大会がある。
何故か今年はバスケ部で行こうという話しが出た。
仁美はまた、行けるか分からないと答えていた。

「今年は一緒に行こう。」
部活解散後、仙道は改めて仁美を誘った。
2人ではなく、大勢だがそれでも一緒に行きたかった。
仁美は少し考えて、頷いた。

花火大会当日、仙道は仁美が来るかソワソワしていた。
先に着いたのは、男子部員だった。
マネージャー達は一緒に向かっているらしい。
マネージャー達が到着したら、周りがどよめきだした。

仙道は振り返って見るが、同じく声が漏れてしまった。
仁美が来てくれていた。
しかも浴衣を着ていた。
女子は浴衣にしたらしいが、普段しない様な髪型と淡いピンクの金魚の浴衣が似合っていて、思わず緊張してしまった。

仁美は仙道に気が付いて、少し会釈した。

そのまま一行は花火会場まで歩き始めた。
前を男子が歩き、マネージャー達が着いていく。
途中の屋台の買い物など、散らばりはしたが、会場で上手くおち合う事が出来た。