冬休みも終わり、三学期が始まり、仙道の誕生日になったが、宣言通り仁美からは何も貰えなかった。
毎年の事だが、朝から仙道宛にはチョコがひっきりなしに送られて来た。

愛想よく受け取る仙道を横目に仁美が通りかかったので、仙道は仁美に近づきチョコの催促をしたが、そんなに貰えてるなら、もういいじゃないですか。と困った顔をされて、仁美は行ってしまった。

沢山貰うかではなくて、誰に貰うかだったのに‥。
部活の終わりに、誕生日おめでとうと言葉は貰ったのでそれで良しとした。

春の公式戦では、前回全国を経験した為シード校からのスタートだった。
仙道の人気は他校にも広まっていて、予選なのに仙道が出る試合は観客が沢山居た。

他校の男子生徒が沢山居ると、仁美に声をかけようとする輩も出てくるので、仙道はなるべく仁美の隣に居るようにしていた。

春の公式戦から、一年の小野寺がベンチ入りしていた。
同級生がベンチ入りして、仁美も嬉しそうだった。
マネージャーの仁美との距離も、ベンチ入りしたら試合の間はグッと近くなる。
最近ますます2人が仲良くなった様に仙道には見えた。

他校のファンの他に、仙道は高校のスカウトからも注目を浴びていた。
特に神奈川の陵南高校は監督自ら決勝を見に来ていた。
仙道のチームはそんな注目の中、仙道の活躍で予選1位で全国が決まった。

決勝の後、陵南高校から仙道は正式にスカウトされた。