同じく小野寺もまさか仙道に言われるとは思わなくて、悔しそうな顔をしていた。
ざわつきはしたが、その後もつつがなく会議は進行していった。

集まりが終わって解散の時間は部活はもう終わっていた。
学生なので、この様な集まりは部活よりも優先される。
部活に力を入れてる人は、簡単な委員会に入って、部活に行くのが常である。

何事も無かった様に、教室を出たのは仙道だった。
続いて仁美も出ようとしたが、洋子達に捕まった。
「あんた、仙道君が好きなの？」
ダイレクト過ぎる質問に、仁美は固まった。
「‥いいえ‥」
「じゃあなんで受けたりしたのよ、断ってよ、誤解されるでしょ！」
「‥‥。」

洋子の勢いに仁美は言葉を詰まらせてた。
ちょっと怖いと思った。
「上條には俺が貸すから、先輩には断りに行こう、気まずい様なら俺も一緒に行くよ」
洋子の剣幕に、小野寺は助け舟を出した。
「自分で言うから大丈夫だよ！」

仁美は八つ当たりの様に、小野寺向かって声を荒げた。
皆んなに注目されて恥ずかしかった。
仁美はそのまま教室を出て仙道を追った。

「先輩。」
玄関で上履きを履き替えている仙道に仁美は声を掛けた。
少し怒っている様な顔に、仙道は何があったか察した。
「先輩私‥やっぱり困ります」
困るとは学ランの事だろう。
「‥何か言われた？」