まさか仁美にバスケと比べられるとは思わなかった。
今更だし別物だった。
だけどあの時選べなかった理由は、自分のプライドで間違いはない。

「‥バスケやりたい」
仙道は目を細めて空を見る。
もう何も考えないで済む様に。

決勝リーグが終わりしばらくしてから流川が会いに来た。
遅れたけど、部活に行こうとして捕まった。
そのまま公園に連れて行かれて1on1に付き合わされた。
暗くなるまで付き合い流石にボールが見えなくなって終わらせた。

身支度をしていると流川が肩で息をしながら、まだ何か言いたそうに仙道を見る。
全国には仙道より強い奴が居るかと聞かれて、知るかと思った。
正直バスケしている時以外、会いたくない人物だ流川は。

ー何を迷ってんだか。
そんな流川に背を向けて身支度をしていると、急に中学時代に負けた沢北を仙道は思い出した。
流川の方を向き合い沢北の事を伝える。
流川は何か考える動きをする。

流川が自分達の代わりに全国に行くんだと、仙道は実感した。
餞別に試合での流川にアドバイスをする。
「おめーには負ける気がしねぇ」
そう仙道は流川に背を向ける。