「仙道が今までに無いほどポンコツだ。」
生きた屍のようになっている仙道を指して、真帆は奈美に言った。
「ポンコツって」
真剣な顔して真帆がそんな事を言うから、奈美は苦笑いした。

いつになくぼーっとしている時が増えて、部活は‥まぁいつも通りだ。
毎日あるバスケ部に仙道が毎日行くのは大会前位だ。
部活にいく回数はむしろ今までの公式戦後から考えると増えている。

何だが無心でバスケに向かっている様で、部活の最中の仙道はむしろ鬼気迫るくらいだ。
しかし部活をしていない時の腑抜けさはこの2年でダントツでポンコツだ。

最初は決勝リーグの負けを引きずっているのだと思ってた。
だけどどうやらそうでは無いらしい。
試合の負けなんていやと言うほど味わっている。
何度も乗り越えてきて、気持ちの切り替え方は自然に覚えてきた。

真帆が思い当たるとしたら、仁美しか無かった。

「‥彼女と何かあったの？」
構って欲しいのかこの男はどうして私の視界の中にいつも居るのだ。
たまらず真帆は山道に話しかける。