辛いのは当たり前だ、本当に好きだった。
もうこの先あの気持ち以上誰かを好きになる事なんか無いと思える位。
毎日毎日心の中で問いかけていた言葉はだった１つ。
ーまだ私の事好きですか？

そう問いかける過去の仙道はいつも笑顔で仁美を見つめてくれる。
それだけで1か月過ごせてこれた。
これから先も仙道を思い出せば、その顔はあの笑顔で溢れているだろう。

仁美は顔を上げた。
横にいる流川を見ると、流川は仁美に気が付き微笑みかける。
その笑顔に安心感を覚えて仁美も自然に笑顔になる。

背中から視線を感じて、2人で振り返ると、流川の両親と仁美の両親が2人を息を呑んで見ていた。
振り返った2人を見て、慌てて部屋の中に隠れた。

少し親に話したせいで別の心配事を与えてしまったかもしれない。
仁美は困った様に苦笑いし、流川はため息をついた。

久しぶりに見上げた空はとても綺麗で、仁美は大きく息を吸った。
少し気持ちが楽になったのは、気のせいでは無いだろう。
そう思いながら隣の流川を横目で見たのだった。