1年から３年の全ての学年が揃った時点で、今年の紅組の応援団が何をやるかの議題が始まった。
進行している男子は、３年生の生徒会長もしている飛田だった。

仙道の右脇の２年生のグループは、ワイワイ騒ぎながらやっているが、左にいる仁美は真剣に司会の話を聞いていた。
この真面目な性格も仙道は好きだった。

どんな出し物をやるかアンケートを取っていると、洋子が手渡し上げた。
「はーい。皆んなで学ラン着てカッコよく応援団やりたいです。」
他に女装など茶化した意見などもあったが、男子もやりやすく、洋子の案に決まった。

学ランは学校がそうなので、男子は用意があるが女子はどうやって用意するか議題になった。
また洋子が意見を言う。
「男子で予備を持っている人がいたら、貸して貰ったら用意出来るかも。後卒業生の寄付の制服も余りがあるはず」

女子なら大抵のサイズも入るし、その案になった。
という事は、誰かが仁美に学ランを貸すと言う事になる。
すぐに小野寺が仁美に声をかけようとしていたのが分かった。

「上條は俺の学ラン着て」
考えるより先に、仙道は声を出してた。
一斉に皆んなが仙道に目をやった。
仁美も仙道に言われるとは思っていなかったみたいでびっくりして仙道を見た。

「‥はぃ‥お願いします‥」
あまりにも周りに見られてるので、仁美はさっと返事をし、目を逸らした。
洋子はあわよくば、仙道の制服を借りるつもりだぅたので、2人のやりとりに驚いたし、仁美に嫉妬した。