「ただの親戚って感じじゃなかった、上條が。」
そう言われて、仁美は仙道にも見られていたのだとすぐ分かった。

「‥親戚の‥弟の様に思ってたのに、急に男の子に見えて戸惑いました。」
思い出しながら、仁美はまた顔を赤くしてら仙道から目を外した。
それはーどんな感情？
仙道には仁美が流川を好きか分からない回答だった。

答えを聞いたら諦められると思った。
でも、無理だった。
抗って諦めようとしても目の前に仁美がいれば、好きだという気持ちしか残らない。

「来年の花火大会では、俺が手を繋ぐ。」
やられたものはやり返すと言うような感情だった。
いきなり言われて最初理解できて無かった仁美だが、理解した、瞬間仁美の顔が真っ赤になった。

「ダメです！楓であんなんじゃ、仙道先輩だったら、心臓が壊れます！」
そう言って仁美は走り去った。

逃げられた。
そして断られた。
ーあれはどんな感情なんだ？
仁美はまだ恋愛沙汰に疎いみたいで、仙道が期待する様な色っぽい返事が返ってこない。
（そもそもそう言う対象に見られてないからか？）
とりあえず、もう少しアピールしてみようと仙道は思った。