その姿を見て、魚住は三井が中学時代の県のMVPになった三井寿と気が付いた。

初めて見る三井と宮城の試合での活躍で、仁美はとてもドキドキして高揚した。
その後三浦台に点を許さない湘北の反撃で会場は盛り上がった。
そして高校の公式戦初の流川のダンクが決まる。

会場は一層盛り上がった。
その盛り上がりの中、仙道が応援席に帰って来た。
仙道は海南大附属の牧に会ってたと言う。
試合は上から見ていたようだ。

三井、宮城の参戦で陵南は見に来た価値が重要あった。
試合が終わり、陵南も帰り支度を始める。
終わってみれば、湘北高校の圧勝だった。

整列が終わりベンチへ戻る際に、流川が仁美を見た。
仁美も流川に気が付き、お疲れ様と笑顔を送った。
そしてそのまま仙道の後について行き会場を出た。

会場から出ると仙道は部員達と少し離れた。
「‥この後どうするの？」
「午後の授業に出ます。」
そう言って、仁美は仙道から借りたジャージを脱いで渡した。

仙道はジャージを受け取り、そのまま差し出された手を握った。
仁美は少しびっくりした顔をして、仙道を見た。
仙道は先程の流川への応援を思い出していた。
流川の応援をするのは仕方ないと分かっていても、やはり妬いた。