「何で流川がベンチなんだ？」
スターティングメンバーに流川が居ない事に越野が気が付いた。
ベンチを見ると流川と宮城、三井までスターティングメンバーから外されていた。

宮城と流川のベンチ、隣に居る三井の存在に陵南メンバーはざわついていた。
仁美はあのメンバーがスターティングメンバーから外された事に、あの事件が関係あるとすぐに分かった。
しかし、陵南メンバーのいるこの場所では言えないので黙っていた。

陵南メンバーは流川、湘北高校の成長を見に来ているのだから納得がいかない様だった。
相手の三浦台高校は湘北高校を格下と認定していて目標は海南大附属を掲げている。

スターティングメンバーは公式戦の雰囲気に飲まれているのか、動きぐ鈍くなっていた。
試合開始から前半は三浦台高校のリードで試合が進んでいった。
点がどんどん入り、勢いつく三浦台に流石に不安になった。

仁美は声を出して応援しそうになり、思わず手で口を塞いだ。
横に居る仙道ももどかしさを見せていた。

湘北高校が陵南高校との練習試合で一点差のゲームをした事はこの時は周知に知れていた。
湘北高校が勢いにならなくて、陵南まで弱い様に言われて陵南メンバーはお怒りモードだった。