試合会場の駅に着くと、沢山の高校生達がすでに集まっていた。
湘北高校は現地集合だった。
高校生達の波に沿って、2人も会場に向かう。

相変わらず仁美は目立っていて、すれ違うさいに振り返る者も居た。
流川は横で気が気じゃなかった。
「おっす流川。」
後ろから宮城が声をかけた。
横には三井も居た。

「‥うす。」
2人は隣に居る仁美に目をやる。
「何だ1年、学校サボるとは不良だな。」
笑いながら三井は仁美の頭をポンポン叩く。
周りはジロジロと仁美を見る。
その視線に宮城と三井も気が付いた。

「何だジロジロ見やがって気色悪い。」
宮城が舌打ちをしながら言った。
控え室に向かうバスケ部と、観客席に行く仁美は別れる事になった。
流川はせめてと自分のジャージを仁美に渡す。
仁美はそれを受け取り、流川達と別れた。

まだ試合まで時間もあるので、仁美は会場のロビーで時間を潰す事にした。
同じ所に長く居ると囲まれてしまうので、場所を移動しながら時間を潰していた。
朝仙道に送ったLINEが既読になっているのに気が付いた。

今日この会場に居る事は伝えてあるが、それに対しては何の返答もない。
流川の応援に勝手に来た事に仙道が腹を立てていないか気にはなる。
こんな気持ちのまま応援に行くのも嫌だったが、どうやら公開練習の時間になった様だ。