どうして流川はこんなにも仁美への気持ちがブレないか分からなかった。
仁美の前でワザと従兄弟と挑発した時、彼氏を前に流川は仁美が好きだと言いきった。
惨めな気持ちにさせようと思ったのに、流川は真っ直ぐに言ったのだった。

流川は言いたい事が言えて満足したのか、そのまま帰って行った。
仙道はため息を付いて、仁美の元に向かう。

指定したカフェに入ると、仙道はすぐに仁美を見つける。
仁美の前に座ると、飲み物を頼んだ。
仙道の飲み物が来るのを待って話をする事にした。

「‥先輩‥、話したい事ですが‥」
「ちょっと待って。」
仁美が言いかけたのを仙道が止めた。
びっくりして仁美は顔を上げる。
「‥何か決めたんだろうけど、それは俺に事後報告な事なの？」

いつもいつも仁美は自分で解決して、決めていていた。
中学時代、もし仙道に話していたらきっと違う未来があったに違いない。
だけど今は付き合っているのだ、もう事後報告でいい訳がない。

「仁美が決めてきた事って普通2人で決める事なんじゃないの？」
話していて仙道はだんだんイライラしてきた。
「仁美にとって俺は何なの？」