部活が終わると、仙道は直ぐに着替えて部室を出る。
何を言われるのか全く想像できず、足取りはそんなに軽いとはいえない。
駅に向かう途中で、反対側から見覚えのある人影が歩いて来た。

その人物も仙道に気が付いて、こちらに向かってくる。
仙道は足を止めて、流川が来るのを待った。
「‥ちょっといいか。」
仙道は何も答えなかったが、流川はそのまま話続ける。

「決着をつけよう、バスケも仁美も。」
まるで勝つのは自分の様に流川は仙道に言う。
仙道の顔が険しくなる。
「俺が勝ったら、仁美の目の前から居なくなってくれるか？」
「俺が勝ったら‥」
「勝てねーよ。お前じゃ。」

流川の言葉に仙道はかぶせる様に言った。
こんなにイライラさせられるのに、バスケでこいつと勝負すると公言すると、楽しみでしょうがない。
この生意気な1年をどうやってバスケで潰すか、仙道はそれしかもう考えていない。

きっと流川も同じだろう。
絶対負けたくない試合で、相手が仙道なのが楽しみで仕方ないだろう。
「お前を倒して、俺が仁美を全国に連れて行く。」
流川のその言葉で、仁美が流川とそんな約束をしていたと言っていたのを思い出した。