好きだった仁美のその正しさが嫌いになりそうだ。
何で流川なのだろう。
バスケでも目を離せないほど刺激される流川が自分の彼女を好きだという事実だけで胸がざわつく。

2回目の仁美からの着信が鳴る。
この着信に安心してしまうのは、心が歪んでいるのだろうか。
もっと焦って貰いたい、もっと求めて貰いたい。
自分がそうな様に。

そして仙道はその着信には出ない。

結局それ以降仁美から連絡は無かった。
このままで良いわけでは無いのに、仙道はどうしても連絡出来なかった。
当たり前の様に朝起きて、学校へ行くが何をしていてもずっと仁美と流川の事を考えている。

こうして離れて不安な思いをしている間もあの2人は一緒に居ると思うと、どうしても仁美と話す気分にはなれなかった。
手放したくないのに、受け入れる事が出来ない。
どうすれば良いのか仙道には分からなかった。

結局答えが出ないまま部活の時間になり、身に入っていない練習は田岡に怒られるばかりだ。
彦一は目ざとく仙道の様子がおかしいのを感じて仙道に聞くが、仙道はそれを笑顔でかわす。