「何を？」
「俺とお前の立場をだ。お前はただの従兄弟だろ。」
「先輩！」
仁美は仙道の腕を引っ張って、自分の方に向かせる。

「‥楓ごめん、帰ってくれる？」
仁美はそう言って流川を見る。
「もう付き纏わないとはっきり言えよ。」
「先輩、楓はそんな気持ちで来てるんじゃ無いんです。昔から楓はっ‥」

仙道は仁美が言い終わらない内に仁美の手を払う。
仁美は仙道のその行動にびっくりして仙道を見た。
仙道は明らかに怒りの顔で仁美を見ていた。

「よく分かるんだな流川の事は。」
右手で自分の顔を覆った。
今の自分の顔を仁美に見られたく無かった。
近づこうとする仁美を仙道は手を出して止める。
「俺は？」
「え？」
「仁美にとっての俺はどんな奴なの？」
そう言われて仁美は声が出なかった。

仙道がどんな人間なのか言えないのではない。
仙道にそんな顔をさせ、そこまで思わせてしまった事にショックだった。