「何やってるの？」
その声に2人は公園の外を見る。
びっくりしてこっちを見ているのは仙道だった。
「先輩‥。」

いきなり仙道が居て、仁美は驚いている。
LINEはまだ既読になっていなかった。
ずっと流川と居たのだろうか。
そんな想いが仙道に浮かんだ。

「‥よくこうして会ってるの？」
仙道は笑顔だが、明らかに怒っているのは仁美でも分かった。
「‥もう帰る。」
そう言うと流川は自転車を持ってその場を離れようとする。

自分が居ると余計にややこしくなり、仁美に迷惑がかかるから、何も言わず立ち去ろうとする。
「わざわざ夜に会いにくるなんて、従兄弟思いだな。」
立ち去ろうとする流川に仙道が突っかかる。

「先輩‥楓は心配してくれてたまに来てくれるんです。」
「それが従兄弟思いだって言ってるんだよ。」
仙道のイライラが仁美に向かったところで、流川は振り返って仙道を見る。
「従兄弟じゃねーよ。好きな女だからだよ。」

仙道の挑発に流川が応えた。
仙道は体の向きを流川に変えた。
「はっきりさせようか。チョロチョロされるのは気分が悪い。」
仙道の体にチカラが入った。