体育館に向かう途中で、人集りを見つける。
その中に綾子を見つけたので、春子と仁美は綾子に寄った。
綾子は慌てている様に、輪の中心の人物を諭していた。

ふと綾子の目線の先を追うと、3年生の集団の中に花道と昨日見かけた宮城が居た。
リョータを見て仁美は驚いたが、その宮城と花道が掴み合っている事にも驚いた。

綾子は春子に気がつくと、良いところに来たとばかりに、一緒に2人を止めてもらう。
春子と綾子の呼び掛けで掴み合っていた2人が一瞬離れた。
綾ちゃん＝綾子の図が仁美の中に出来上がった瞬間だった。

何の事はない、彼はバスケ部だった。
倒れている3年生達を残して、2人は睨み合いながら体育館へ向かった。
「リョータ先輩バスケ部なんですか？」
今まで居なかったのを不思議に思って仁美は綾子に聞いてみた。

どうやら先程の3年生と大乱闘を起こして入院していたらしい。
その話を聞いて仁美は苦笑いをした。
その後に綾子は公式戦に間に合って良かったと安堵した。

仁美は昨日の宮城を思い出した。
宮城がどんなプレイをするのか見てみたい。
今日は絶対バスケ部を見に行こうと決めた。