駅からの帰りに何となくいつも流川が使っているバスケットゴールのある公園を横切った。
この時間はバスケ部があるので流川は居ない。
流川と仁美はまたお互い干渉しない日々を送っていた。

この日々に慣れたのか諦めたのかわからなかったが、仁美は自分から流川に接触する事は避けていた。
たまにバスケ部を覗いて、流川が元気なのを確認する位だった。

公園の中に入るとバスケットゴールのある方からボールのつく音が聞こえる。
そのドリブルのリズムが心地よくとても綺麗で思わずそちらを見た。

ゴール下にいたのは軽快にドリブルをしてレイアップをしている同じ歳位の男の人だった。
その綺麗なドリブルからのレイアップに思わず見惚れてしまった。
その人はそのまま軽快なボール捌きでバスケットを楽しんでいた。

その人物の手からボールが離れて、転がった先に居た仁美に気がつく。
お互い目があい自分が足を止めて見入ってしまった事に仁美は戸惑った。
「‥何？ナンパ？」
ニヤッと笑ってその人物はボールを拾う。

「悪いけど俺は綾ちゃん一筋だから。」
その後キリッとした顔で言われ、何故か仁美が振られた。
「いや、私も彼氏居ますから。」
そう言って仁美はその人物にせをむけた。

「湘北の何年生？」