夏が始まり、仙道2年生の新チームが誕生した。
勿論4番のキャプテンは仙道だった。
しかしまた、山道のマイペースな練習が始まった。
大きい大会が終わると、燃え尽き症候群の様に、仙道の練習スタイルがハタッと変わる。

仙道は仁美への気持ちを自覚はしたが、何の進展もないまま夏休みに入った。
バスケ部はお盆の2週間程休みがある。
そのお盆休みで、近くの花火大会があった。

仁美と一緒に行きたいなと思いながらも、誘う事が出来なかった。

そんな中、部活終わりに小野寺が、仁美に花火大会の参加を聞いていた。
１年はグループで花火大会に行くようだ。
仙道はさりげなく、会話が聞こえる範囲まで近寄った。　

「花火大会の日は親戚が集まってるから、行けるか分からない‥もしかしたら楓と行くかもしれないから人数には入れないで」
どうやら仁美は毎年そう言って花火大会は断っているようだった。

（‥楓ってどんな奴なんだ？）　　

結局仙道も２年生の男女のグループで花火大会に行く事になった。