「あっ。」
仙道が思い出した様に声を出したら、結構な勢いで仁美が跳ね上がった。
そんな仁美を見て仙道は苦笑いする。
仁美も自分が過剰反応してしまい恥ずかしそうだ。

「‥いや、俺普段ベッドに座ってるから座布団とか無いけど痛くない？」
「‥大丈夫です。」
真っ赤な顔で仁美が答える。
今日はずっとこんな顔だな。

「リラックス出来る？」
「無理そうですぅ。」
泣きそうな顔で仁美が助けを出してくる。
そんな仁美が可愛く思い、仙道はベッドから降りて仁美の前に座る。

仁美を自分と同じ方向に向かせて、後ろから抱きしめる。
仁美の体は強張ったままだ。
「仁美が慣れるまでこうしてよう。」
耳元で仙道の声が聞こえる。

心臓の音が自分のなのか相手の音なのか分からない位混ざっている。
そうするとだんだん慣れてきて、さっきより仁美の体の力が抜けてきた気がする。

肩の上から回していた腕が仁美が重いかもしれないと思い、今度は腰から回してみた。
肩が動くようになり、仁美は後ろの仙道を見る。
すぐ近くに仙道の顔があり、自分の方に向いた仁美に仙道はキスをした。