泊まりに来て欲しいと伝えた。
ただずっと一緒に居たかったからそう言ったけど、仁美を警戒させたかもしれない。
それでも了承してくれた仁美を思い出すと、どうしてもニヤけてしまう。

当日に理性を保てる様に頑張ろう。
俺の気持ちに健気についてきてくれている仁美の為に、その気持ちは大切にしてあげたい。
今までも毎日仁美の事を考えていたが、今は違う。

こんなにも幸せな気持ちでいられる。
気持ちを伝えて良かったと、本当に思う。

あの日仁美を追いかけたて駅へ向かった日、俺は自分の気持ちに決着をつけたかったんだ。
拒まれても、断られても良い覚悟がやっと出来ていた。
会わなかった1年でやっと気持ちがそこまでいき、この不毛な毎日から抜け出そうと思えたんだ。

だけど、同じように戻って来た仁美の顔を見て、そんな気持ちは吹っ飛んだ。
好きって言う気持ちが抑えられなくて、同じか気持ちと分かって無償に仁美が愛しく思えて無我夢中で抱きしめた。

現実か夢かも分からなくて、消えてしまわないように必死で抱きしめていたら、仁美の声が聞こえた。
その言葉を聞こえて、涙が出そうになるくらい嬉しくて、やっと手の中にある幸せを噛みしめる事が出来た。