時計を見ると23時を回っていた。
私は考えるのに疲れて、ベットに横になる。
目を瞑った瞬間、楓の顔が浮かんだ。
ー今日は遅刻しなかったかな。
ー授業はちゃんと受けてるかな。

楓と過ごした時間は確実に先輩との時間になり、その時間は楓を忘れられる。
ずっと先輩と居られる訳では無い。
こんな事を考えてしまう事自体が先輩に対する裏切りの様に感じて、私は罪悪感でいっぱいになる。

楓を考え無い様に意識すればするほど、思い出してしまう。
時間がたてば大丈夫と自分に言い聞かせる。
ー先輩ごめんなさい。
私はそう思いながら、目を瞑った。
浮かんだのは楓の顔だった‥。

ー仁美と電話が終わり、やっとシャワーを浴びた。
真っ先に電話したので、身の回りの事をさっさと済ませてベットに横になったのはもう深夜だった。

ーこりゃ明日も遅刻だな。
はなから起きる気は無かった。
ベットに横になると、1日の疲れが出てきて良い感じに睡魔に襲われる。
まだかろうじて起きている頭で、先程の会話の内容を思い出す。