ー家に帰り、食事やお風呂を済ませて学校の課題をやっていると先輩から連絡が入る。
あれから毎日連絡を取り合っている。
先輩は部活が終わったら、自主練しないで家に帰っているのか、比較的楓より連絡が早い時間だ。

電話はいつも今日あった事や、たわいも無い事から始まり、最後は早く会いたいで終わる。
先輩の声を聞くと今だに胸が締め付けられて幸せな気持ちになる。
この気持ちもその内落ち着くのだろうか。

『‥土曜日さ泊まる準備しておいで。』
先輩にそう言われて、スマホを落としそうになる。
ずっと気にはなってた、土曜日からと言うことは日曜日までだよね。
しかし自分からは聞けなかった。

「‥はい。」
振り絞る様に言った。
声が出た事に驚く位緊張していた。
先輩の声より自分の心臓の音が大きい位だった。

電話を切って、しばらく放心している。
先輩に言われた言葉を思い出し、整理をする。
泊まるってそう言う事なんだよね。
いや、一緒にいたいとは思うけど、それでいいのだろうか。

早いとかそう言う事はよく分からない。
ただ私が展開に着いていけていないのか、置いている心が、ある様な気がする。
自分に言い聞かせて、先輩の気持ちにそるのか、この気持ちを正直に伝えるか、決断出来ないでいた。