楓は部員の皆んなとと行くので、私は春子ちゃん達と行くことにした。
道中は春子ちゃんがいかに楓が凄いか教えてくれる。
本当に楓が好きなんだなぁと感心する。
私もこんな風に感情を表現出来たらと、春子ちゃんが羨ましかった。

陵南高校に着き、正門に入る時は少し躊躇した。
「どうしたの？」
春子ちゃんが振り返り、気にしてくれた。
私は意を決して陵南高校へ入って行った。

向かった体育館は、結構人がいた。
すぐに桜木軍団が見える。
春子ちゃん達と合流する。
流石にこのメンバーでは目立ってしまう。
固まっていたら、楓が手招きする。

「これ持ってて下に居て。」
楓からジャージを渡されて、下で試合を見るように指示される。
楓はあまり私が桜木軍団と一緒にいるのをよく思わない。

私は春子ちゃんに下で見る事を伝える。
春子ちゃんはそのまま皆んなと一緒に見るようだ。
やっと落ち着いて用意されている椅子に座る。
陵南のメンバーを見るが、先輩が居ない。

ー‥また遅刻だったりして。
とりあえず今居ない事に、ずっと緊張しっぱなしだった心を落ち着かせる。
私は体育館を見渡す。
ここで先輩は毎日バスケしてるんだ。