「流川君と親戚って本当なの？」
「‥‥。」

湘北高校に入学して、私は度々この様に威喝される様な質問に合う。
色恋沙汰で中学時代から嫌な噂や干渉はあったが、女子からの呼び出しは初めてである。

内心威圧的に言われてイライラしたが、3人程に囲まれてチキンな私は小さい声ではいと返事するしかできない。
女の子達は顔を見合わせると、親戚だからって馴れ馴れしいなど、どうでもいい様な事を怒られながら言われる。

どうでもいい言うのはいい過ぎか。
彼女達は真剣に言っているのであろう。

やっと解放された頃にはHPはかなり無くなっている。
私をはぐったりして、しばらくその場にボー然としていた。

2階から大笑い声が聞こえる。
聞き慣れた声に頭を上げると、桜木軍団が窓から顔を出して、ぐったりしている私を見下ろして笑っている。

ーあいつら。
私は余計イライラしながら、相手にはしないで、その場を去る。
高校に入ってからのスタイルは、中学時代とは全く違う生活になった。

校舎に入り、外履きから上履きに履き替えようとすると、上履きが無いことに気がつく。
ー‥またか。
慣れた様に来客用の玄関に行き、スリッパを借りる。

一部の生徒から嫌がらせをされる様になった。