何で奈美を‥好きな人を傷付けてしまったのだろう。
私は顔を覆い俯いた。
自分で撒いた種だ、心配するなんておこがましいかもしれない。
でも謝らせて償わせて欲しい。

私は私と奈美の家がある駅で降りると、すぐ駆け出した。
175センチの女の全力のダッシュは迫力があるだろう。
周りが引き気味で振り返る。

止まるな、1秒でも早く奈美に会いたい。
体力だけが自慢なんだから。

走り続けて、奈美のマンションのエントランスに入る。
オートロックの部屋番号を押し、反応を待つ。
『はい。』
出たのは奈美のお母さんの様だ。

奈美は居ないか聞くと、まだ帰ってきていないと言う。
居留守を使う様な子じゃない。
私はお礼を言って、エントランスを後にした。

奈美が行きそうな所を片っ端から探す。
暗くなってきて、探すのが困難になってきた。
LINEを交互に送るが、相変わらず反応は無い。
20時位になり、私は探すのを諦めた。

肩を落としながら、帰路にたつ。
ゆっくり歩きながら、涙が出そうなほど、奈美に会いたいと願う。