だからと言って付き合うと言う2人を止める事は出来ない。
私は虚しさだけが残り、山道の胸ぐらを離した。
山道はそれ以上何も言わなかった。
そのまま私を教室に残して出て行った。

2人が付き合っているという噂はあっという間に広がった。
奈美は山道の部活が終わるまで待っていたりもする。
そんな2人が目の端に見える事が本当に嫌だった。
嫉妬で頭がおかしくなりそうだった。

奈美の幸せそうな顔を見るたびに涙が出そうなる。
そこに居るのがどうして自分では無いのだろう。
もちろん私の気持ちなど知らない奈美は、毎日私にも山道との惚気話をしてくる。

幸せそうに山道の話をしてくる奈美はとても可愛くて、自分の醜い気持ちが出ない様に、奈美を汚さない様に隠す事しか出来ない。

しばらくすると、奈美が不満を言うようになった。
山道と手は繋ぐが、それ以上関係が進まないというのだ。
マジで聞きたくない。
山道が何を考えているかなんて、もう分からないし理解もしたくない。

だけど、奈美とどういうつもりなのかと、怒りに任せてぶつかりたいとも思う。
でも今は嫉妬心が大き過ぎて、奈美の為ではなく自分の為に問いただしていると、山道には見透かされそうで出来なかった。