そういう私は、仙道に相談されるとやっぱり嬉しい。
なぜ私はこんなにも仙道を信用してしまって、安心していたのだろう。

『仙道君と付き合うことになった‼！』
ハートがたくさんのラインが奈美からきたのは、その数日後の話だった。
私はその画面を見た瞬間目の前が真っ暗になった。
スマホを握りしめて、私は教室を出て仙道を探した。

1人になれそうな場所を探す。
なかなか見つからずイライラする。
握り締めたスマホからラインの通知音がする。
確認すると仙道からだった。
『3階の空き教室』

向かいの階の空き教室を見ると、仙道が窓から顔を出していた。
私が見えたんだ。
そして私が探している事を知っている、もう私が何を言いたいか仙道は分かっているんだね。
私は仙道を睨みつけて、空き教室に向かった。

勢いよくドアを開く。
目の前に仙道は居なく、仙道はドアのすぐ横に居た。
腕をつかまれ、教室の中に引きずりこまれると、仙道は静かにドアを閉めた。
私が怒りに任せてくるのを見抜いていたようだ。

「…なんで付き合うって話になるの。」
奈美の事好きじゃない癖に。
「俺が振っても他の誰かと付き合うなら、俺の方がいいだろ？」
私は頭がカッとなり仙道の胸倉を掴んだ。
「ふざけないで、奈美を好きじゃない癖に。」
目からは涙が流れてきた。
奈美が可哀そうで泣いているんじゃない。

仙道に裏切られた事。
苦しくて息が出来ない。
この男は私の気持ちを知っていて、奈美と付き合うと言っているのだ。