何の反応の無い仙道に、仁美はどうしていいか分からず反応を待った。
「おい‥仙道‥」
すっかり固まってしまった仙道に、見かねた友達が声を掛ける。

「あ、こっちこそごめん。」
仙道がそう言ったら、仁美は軽く会釈をして、そのまま2人の間を通り過ぎた。
2人はしばらく仁美の後ろ姿を見送った。

「何か‥想像以上だったな」
「そうだな」

しばらく仁美を見ていたら、その後仁美とすれ違う学生が皆んな1度は振り返る。
身長の高い仙道もよく注目されるが、そんな仁美を見て気の毒に思えた。

そして、あっという間に仁美は学校中の注目の的になった。
仁美はよく目立つ、教室移動の際、体育で校庭に出ている際、仙道はよく仁美を見つけた。