先輩達の直ぐ後ろを逸れない様に歩いていった。
何となく男子と女子と分かれていた。

直ぐ目の前に山道先輩が居た。
こんな時いつもの先輩は近くに居てくれている様な気がするが、私が目で追ってるだけかな。

開始の少し前に花火会場に着けた。
今年も河川敷は混雑していて、土手で立ち見になった。
去年楓と見た場所あたりだなと思い出した。

右隣に人の気配がしたのでチラッと見たら、山道先輩だった。
一瞬にして胸が高鳴ったが、悟られない様にすぐに目を逸らした。
先輩は隣の部員と話していて、こっちには気が付いて無いのかもしれない。

先輩の隣で花火が見れるなんて、いい思い出になる。
そう思いながら、打ち上げ花火が上がるであろう空を見上げた。

突然の開始の音楽と共に、盛大な連続花火が打ち上がった。
途端周りから歓声が上がった。
私も思わず声が漏れてしまった。
花火大会が始まった。