きっとまたこの選択も苦しくなるだけのものだろう。
そう思いながらも、私はお母さんに浴衣を出して貰った。
もう大人用の浴衣を仕立てて貰っていた。

髪を結いてもらい、お洒落すると何だか変な気分だ。
周りの子が可愛くなったいく理由が分かった気がする。
お母さんも何か思っただろうか、何も言われなった。

先に神社で他のマネージャーと合流する。
皆んな浴衣なのは、相談して決めたからだ。
皆んなと綺麗な浴衣で夜道を歩くと、それだけで気持ちが高揚して楽しかった。

花火会場の入り口で待ち合わせしていて、スマホを持っている人同士やりとりし、合流した。
人生は初めてのお洒落で、男子に会うのは恥ずかしかった。
しかも、好きな相手である。
緊張から、顔が赤くなるのを感じた。

上手く合流場所に辿り付いた。
先輩や同級生の男子の集まりの中に、一際目立って山道先輩は居た。
先輩の私服は何度か見た事があるが、やはりいつもと違う雰囲気にドキドキした。

先輩がこっちに気が付いた。
思わず私から先輩に片手を上げて合図した。
先輩が笑顔になってくれたので、私も笑顔になった。